デザイン研修旅行

Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

Helsinki / Porvoo 2017 Vol.07 | Suomalainen keittiö / フィンランドでの食事

juuri ユーリ Helsinki

juuri ユーリのエクステリア

到着初日の夕飯は、僕らが泊まったホテル、GLO HOTEL Artから歩いて6分くらいの、デザインディストリクト内にある「juuri ユーリ」で 。フィンランド版タパスのような提供の仕方で、タパスの数でコースのお値段が変わるしくみです。使用する食材はフィンランド国産のものにこだわっており、その中でもできるだけ小規模生産農家から直接仕入れをすることを実践しています。日本的に言えば「地産地消」にこだわったレストラン。トリップアドバイザーの評価が高く、迷わずリザーブしました。

juuri ユーリの店内

juuri ユーリの店内。地下にも客席があります。

juuri ユーリの店内。

地ビールで乾杯

シンプルなメニュー。4つのタパスコースから選びます。

前菜のスープ

最初に運ばれてきたのは2種類のパンとバター。フィンランドといえば黒パン

メインディッシュ。ブラッドソーセージ、スペルト麦とサワークリーム添え。

謎のコロッケ。多分鱈のすり身。

ブルーベリーのシャーベット

メインディッシュ。ブラッドソーセージ、スペルト麦とサワークリーム添え。

盛り付けはどこか日本に通じる感じがします。

ナツメグとナッツとベーコンの前菜

北極イワナのコンフィ。見た目はサーモンですが、脂が程よくとても美味しかった

ゴートチーズ(山羊のチーズ)とアイスクリームの盛り合わせ、ブルーベリージャム&ピュレ添え。

タパスあれこれ

トマトとサワークリームと前菜

飛行機の到着が遅れて、レストランには二時間遅れで(!)入ったのですが、事情を話すと笑顔でテーブルに通してもらいました。フィンランドの食事は正直あまり期待していなかったのですが、タパスをもじったサパス(笑)なるつまみ料理が美味しく、コースもポーションが控えめでとても美味しかったです。この時はあまり飲めなかったのですが、ワインも充実しているので、ヘルシンキに行かれる方はぜひ。人気店なのでウェブサイトからのリザーブをお勧めします。ミシュランガイド掲載店。

juuri ユーリ

Högbergsgatan 27, 00130 Helsingfors, フィンランド
+358 9 635732

 

NOKKA Helsinki

ヘルシンキを代表するモダンキュイジーヌNOKKA。ミシュラン3年連続ワンスターで、レストランデザインアワードでもブロンズ賞を受賞したレストランです。

スクリューの外観。レストランデザインアワードでも入賞した素敵なレストラン

スクリューの外観。別外観で。

Pohjoissatama(North Harbour)に面したロケーション。函館っぽい。笑

Pohjoissatama(North Harbour)に面したロケーション。夕暮れ時だったので、しばし見とれて眺めていました。

基本的には前菜3種、メインディッシュ1種、デザートの構成で、これはスズキとエノキソースのグリル。

デザート。何か聞くのを忘れました。。

店内の様子。

写真を撮り忘れてしまい、これしか掲載できないのが惜しいのですが、素晴らしいコースセットで、季節に応じて変化します。その年に提供されたコースは二度と食べられないので、一期一会を求めて再訪する人が多いそう。ちなみにフィンランドは、消費税(外食税)が特に高いので、レストランで食事をする時は祝い事や記念日ということが多いらしく、ものすごくおめかしして食事されていたカップルとかいました。素敵ですね。

Restaurant Nokka
Kanavaranta 7F 00160 Helsinki
TEL 9 6128 5600
http://www.ravintolanokka.fi/

 

Meat District Porvoo(ミート ディストリクト)

一見やる気はないが、なぜか見てしまう不思議なサイン。

蔵のような倉庫の向こう側に客席とお店があります。

ポルヴォーのランチで利用した、ミート ディストリクト。その名の通り、ポヴォー界隈の畜産農家から仕入れたお肉による、肉料理のお店。ランチどきだったので種類は選べませんでしたが、国産チーズとベーコンのシンプルなリゾットとハンバーグ、スパークリングワインでシンプルに食事を楽しみました。

Meat District Porvoo。外観はこんな感じ。

Meat District Porvoo。このリゾットボリュームがあり、チーズとベーコン効いていて美味しかったです。

Meat District Porvoo。こちらはハンバーグ。さすがバイキングの国で鋭利なナイフが突き刺さっていました。笑

街がコンパクトで、レストランも少ないので選択肢があまりなかったのですが、前日の料理で、フィンランドのお肉がとても美味しかった印象が消えず、店に入った記憶があります。ちょうど僕らの隣に座っていた方から帰り際に声をかけられ、話をしたら現地在住の日本人アーティストでした。僕らが日本語で話していたので声かけてくれたんでしょうね。

所在地: Gabriel Hagertin kuja, 06100 Porvoo, フィンランド
開店時間: 14:00
電話: +358 20 7705390

 

Passio Kitchen and Bar Helsinki

Passio Kitchen and Barの外観から。モダンだけど、ノスタルジーも感じるインテリア。

Passio Kitchen and Bar。モダンだけど、ノスタルジーも感じるインテリア。

最終日のポルヴォーからヘルシンキに戻ってディナーを楽んだPassio Kitchen and Bar。前菜2種、メインディッシュ2種、デザートの5品コースで、ワインはセレクテッド。料理に合わせてもらいたかったので、お店の人に任せました。お料理は3品か5品から選べます。こちらもヘルシンキでは有名で、ガイドにも掲載されているので、中国人や日本人もちやほや。カンピからも歩いて5分くらいですしね。

ビーフ&チキンのバルサミコと何かで和えたソースがかかったメインディッシュ。

前菜ですが、何か聞き忘れた一品。とても美味しかったです。

イワナのようなサーモンといくらのディッシュ。これも美味しかったです。

ライ麦パン。塩分濃いめですが、ちょうど良かったです。

一番感動したのがこの前菜なのですが、何か忘れてしまった。。

デザート。ぱりぱり(勝手に命名)に数種のベリーのソースがかかっています。

見ての通りで、フュージョン系のお料理なのですが、ボリュームもほどほどで写真の見た目よりもボリュームがあります。3種でも満足、という方も多かったのですが食事を楽しむことも目的だったので、5種にチャレンジ。そして気さくで気の効く、女性スタッフがサーブしてくれたので良かったです。 心からオススメのレストラン。

フィンランドの食事は、全体的に少し塩分が強めですが、店によってばらつきがあります。今回は、モダンキュイジーヌよりのレストランが中心でしたが、今の料理界を席巻しているノルディックモダンキュイジーヌの一端を垣間見た(食べた?)気がします。初日の欠航で1日旅程が減ってしまいましたが、食事が美味しかったので良かったです。ヘルシンキは、東京から10時間のフライトで行ける近場ですし、また機会があれば行きたいです。

 

 

Helsinki / Porvoo 2017 Reported by Futoshi Hirasawa 
 

 

 

Helsinki / Porvoo 2017 Vol.06 | Porvoo / ポルヴォーの街

現地3日目はヘルシンキからリムジンバスでポルヴォーへ向かいました。カンピショッピングセンター(Kamppi Center)にあるバスターミナルへ。長距離バスが発着する地下の窓口でチケットを買ったら、ポルヴォー行きのバスに乗りこみます。

別名、夏の街。ポルヴォーはおよそ800年の歴史を持つ、フィンランドで2番目に古いコンパクトな街です。重厚な木造建築がカラフルな色で彩られ、この街にユニークを与えています。写真を撮り損ねてしまいましたが、このバスの車中から眺める風景が素晴らしく、夏のフィンランドの忙しい気候(1日のうちに晴れ、曇り、雨を何度繰り返します)が体験できます。

ポルヴォーのバスターミナルの売店

露出が悪くて見えにくいですが、ポルヴォーで最も有名な倉庫群。赤くて可愛いです。

ポルヴォーの街並み。左奥の建物が傾いています。笑。何やっているのかとのぞいて見たら

パントマイムをやっていたんですね。

ポルヴォーの街並み。大聖堂に向かう途中の眺め

ポルヴォーの街並み。ロシア様式が随所に残っています。

Vanha raatihuone と呼ばれる博物館と前の広場

Vanha raatihuone と呼ばれる博物館と前の広場

彩度と明度のコントラストが素敵な寄せ植え

Porvoo Cathedralへ向かう途中の路地

Porvoo Cathedralへ向かう道中の家屋。この赤茶色がポルヴォーのシンボルカラーです。

ポルヴォーの街並み。同じ匂いがしたのでのぞいて見たら、左側の建物はデザイン事務所でした。笑

ポルヴォーの街並み。ロシアと北欧の折衷様式の変わった造り

Statue of Johan Ludvig Runebergの像がある公園

Statue of Johan Ludvig Runebergの像がある公園

ポルヴォーのツーリストセンター。針金アートがかわいいです。

ポルヴォーのシンボル、ポルヴォー大聖堂(Porvoon tuomiokirkko)。ゴシック様式ですがだいぶアレンジされています。

ポルヴォーのシンボル、ポルヴォー大聖堂(Porvoon tuomiokirkko)。これまで五回の火事に見舞われたそう

ポルヴォーのシンボル、ポルヴォー大聖堂(Porvoon tuomiokirkko)見る角度によって建築の表情が異なります

ポルヴォーのシンボル、ポルヴォー大聖堂(Porvoon tuomiokirkko)2006年の火事で屋根が焼け落ち、この屋根は吹き替えられた後のもの

目抜き通りのヨキ通り(Jokikatu)。Restaurant Hanna-Maria

ポルヴォーの街並み。路地の隙間から北欧らしい彩度控えめの家の色が覗き合います。

レンガの色も彩度控えめ。

ポルヴォーの街並み。雨が降った後にからっと晴れた時にとった一枚

ポルヴォーの街並み。雨が降った後にからっと晴れた時にとった一枚

見逃しそうになった、タバコペール。真鍮製で一番上の穴に吸い殻を落とします。かっこいいです。

ポルヴォーの街並み。雨上がり後の陽気がとても心地よかった。

ポルヴォーの街並み。目抜き通りのヨキ通り(Jokikatu)

ポルヴォー川。この時は雨が降る直前。

街のいたるところにあるコーヒースタンド

Restaurant Wilhelm Å 付近で見かけたバナー

目抜き通りのヨキ通り(Jokikatu)からは、赤い倉庫をリノベーションしたレストランやカフェが軒を連ね、アンティークショップなどもあります。シンボルである赤壁倉庫の並びに建つ4階建の赤レンガ倉庫は、カフェ&バー ポルヴォーン・パーハティモ(Bar & Cafe Porvoon Paahtimo)になっていて、川沿いの小舟のテラス席があり混雑しています。

ポルヴォーの夏は、1日の天気の変化がとても多く、晴れたと思ったら雨が降り、止んだと思ったら雨が降る。そんな感じですがしっとりとした気候で過ごしやすく、また街全体がアーティスティックで見て回るのが楽しかったです。

Helsinki / Porvoo 2017 Reported by Futoshi Hirasawa 

 

 

Helsinki / Porvoo 2017 Vol.04 | Alvar Aalto STUDIO

アアルトスタジオの正面外観

アアルトスタジオの正面外観

アアルトスタジオの裏側

アアルトスタジオ、中庭からのビュー

アアルトスタジオ、食堂を外から眺める。

アアルトスタジオの中庭から眺める

アアルトスタジオの中庭から眺める。

アアルトスタジオの隣地

アアルトスタジオのサインプレート

1Fトイレの建具

1F食堂へ向かう廊下の照明

2Fのワークスペース(製図室)。往年の状態で残されており、製図板や各種定規などの道具と当時のドローイングを見ることができます。

天井が傾斜して片流れの屋根になっているのは、ハイサイドから差し込む太陽の光を天井に反射させて、室内を明るくするため。

2Fのアアルトの仕事部屋。作品展示と膨大なドローイングの原本が保管されています。

アアルトの仕事部屋の棚にある膨大なドローイングのアーカイブ

アトリエスペース。アアルトの石像や建築模型、スツール60をはじめとするartekのチェアやテーブルやパイオミチェアがずらりと並んでいます。

アトリエスペースから中庭を眺める

アトリエスペースから中庭越しに食堂がある棟を眺める

アトリエスペースのサッシュとカーテンレールのディティール

アトリエスペース中庭側の開口部

アトリエスペースは、照明器具の検証や家具のサイズ感、所員のミーティングなどに活用されていたそうです

アアルトの仕事部屋を別角度で

ワークスペースと階段

ワークスペースより中庭を眺める

1Fの食堂。

Alvar Aalto(アルヴァーアアルト)の自邸からスタジオ・アアルトへ

自邸からスタジオへは徒歩で5分くらい。とても近所にあります。アアルトの自邸の竣工から20年後の1955年、自邸から歩いて10分ほどの場所に新しいスタジオをつくりました。ヘルシンキ工科大学やフィンランド国民年協会などの大規模プロジェクトを手がけはじめ、自邸の仕事場では手狭となってしまったためで、敷地の傾斜を活かしてつくられた中庭が広がるアトリエスペースには、パイミオチェアやスツール60、アルテックの名作椅子やテーブルがずらりと並んでおり、アアルトがデザインした照明や、曲げ木のサンプル、建築模型や貴重な図面も展示されています。 

アアルトスタジオの正面外観

アアルトスタジオの裏側

アアルトスタジオ、中庭からのビュー

アアルトスタジオ、食堂を外から眺める。

アアルトスタジオの中庭から眺める。左がワークスペース。

アアルトスタジオの中庭から眺める。正面がワークスペース

アアルトスタジオの隣地

 アアルトのスタジオの建築形状は、コの字型をしており1Fにアアルト財団のオフィス(昔はMTGスペース)と食堂、車庫、トイレがあり、スタジオの中枢であるワークスペースは全て2Fにあります。RCと組積と木造のハイブリッド構造です。傾斜地を巧みに活用して計画されていることもあり、中庭からだと1F部分が埋没して見えます。このランドスケープとの関係性がアアルトスタジオの魅力の一つになっています。

アアルトスタジオのサインプレート

1Fトイレの建具

1F食堂へ向かう廊下の照明

1Fの食堂。ここで食事をまかなっていたそうです。帆布がシェードになっていて美しい照明になっています。

2Fのワークスペース(製図室)。往年の状態で残されており、製図板や各種定規などの道具と当時の模型やドローイングを見ることができます。

天井が傾斜して片流屋根になっているのは、ハイサイドから差し込む太陽の光を天井に反射させて、室内を明るくするため。

2Fのアアルトの仕事部屋。作品展示と膨大なドローイングの原本が保管されています。

アアルトの仕事部屋の棚にある膨大なドローイングのアーカイブ

アトリエスペース。アアルトの石像や建築模型、スツール60をはじめとするartekのチェアやテーブルやパイオミチェアがずらりと並んでいます。

アトリエスペースから中庭を眺める

アトリエスペースから中庭越しに食堂がある棟を眺める

アトリエスペースのサッシュとカーテンレールのディティール

アトリエスペース中庭側の開口部

アトリエスペースは、照明器具の検証や家具のサイズ感、所員のミーティングなどに活用されていたそうです

アアルトの仕事部屋を別角度で

ワークスペースと階段

ワークスペースよりエントランス側を眺める

とても機能的で、働きやすい環境を腐心して創ったことがディティールからも見えてきます。このスタジオも自邸もフィンランド湾にほど近い場所にあり、ヘルシンキの中心地へも20分程度で行くことができます。この周りの環境と静粛さが相まって、このスタジオの魅力を生み出している部分も見逃せません。

 アアルトのアトリエ(スタジオ・アアルト)はガイドツアー(英語/€17)でのみ見学ができます。(火〜土曜/5月〜9月 11:30〜と12:30〜の2回/10月〜4月 11:30〜の1回)所要時間は約40分。ガイドツアーのあと、写真撮影や自由見学ができます。個人で見学する場合は予約は不要。

 

 

 

Helsinki / Porvoo 2017 Reported by Futoshi Hirasawa