Designcafeの考える展示会ブースデザインについて(ブランディング編)

展示会ブースデザインで発信するブランディングとは

イギリス発祥の老舗トレーニングギアブランド”BODY SCULPTURE”のローンチブース。世界有数の市場である日本へ初上陸ということもあり、このブランドの特徴でもある二つの柱「エクイップメント」と「アクセサリー」をシンメトリーなプランニングで配置した。

展示会ブースデザイン|BODY SCULPTURE

商品発表や体験の場としての展示会の有用性は、Designcafeの考える展示会ブースデザインについて(全体編)にて書かせいていただきましたが、会社やブランドのロイヤリティといった、ブランディングの観点での展示会ブースは、力のある大手企業や上場企業に比べるとベンチャーや中小企業での関心はまだまだ低いように感じます。正確には、関心は持っているけれど、どこから手をつけて良いかわからないといった感じでしょうか。

 

計画的なブランディングによってもたらされるもの

ブランディングとは、ユーザーロイヤリティを最大限化するために、CIやロゴといったシンボルから、提供される製品の品質まで多岐にわたり、決して見た目だけを整備するものではありません。「信頼を獲得し、共感を得て、ファンになり続けてもらえること」で該当製品を購入して頂くことが最終的な目標になります。ターゲットの選定やポジショニングなどの重要性と同様、顧客の立場に立った誠実でわかりやすいコミュニケーションがブランドへの共感を育成する上で重要です。計画的なブランディングとその努力によってもたらされるメリットは下記6つに挙げられます。(Wikipediaから引用)

競合からの差異化
ブランドネームやロゴ・意匠などで、他競合とは区別されて認識されるようになる。
選択意思決定の単純化・固定化
顧客の知識が整理されることで再び同じ物を選ぶようになる。
ユーザーのロイヤル化
親しみや信頼が増大されることでブランド・ロイヤルティが形成される。
価格競争の回避
『顧客にとっての価値』が訴求され、提供品質を無視した価格競争の必要が無くなる。
価格プレミアムの獲得
同じ品質・スペックの商品について、競合よりも高い価格で販売が可能になる。
プロモーションコストの削減
以上のことから販売促進の必要度を低下させることが可能になる。

 

展示会ブースにおけるブランディング

サロン向けスキンケアからスタートし、スキンケアを多角的に見つめるブランド” AXXZIA -アクシージア-”の2017-2018のプロモーションブースの計画

展示会ブースデザインの事例|Beautyworld Japan 2017 AXXZIA

展示会ブースは、製品とそのブランド背景にまつわるものが一体となって体験できるブランディングプラットフォームとも言えます。そのブランドが持っているコンセプト、辿ってきた変遷、これから伝えていきたい事など、コンテクスト(文脈)をブースの導線、視覚的体感、タッチアンドトライを通じて経験することができます。

より良い製品、他社と競合しても自信を持って送り出せるようなサービスなど、商材がしっかりしていればいるほど、展示会ブースデザインによって得られるブランディングの効能は大きくなって行くと言えます。また、トレンドや時代背景を無視することはできませんが、一定のロイヤリティが獲得できていれば流されにくく、継続性が見込めるため経営的資産として得られるベネフィットは計り知れません。

  1. 展示会ブースデザインは、ブランド背景にまつわるものが一体となって体験できるブランディングプラットフォーム
  2. 商材がしっかりしていればいるほど、展示会ブースデザインによって得られるブランディングの効果は大である

 

そのブランドが持っているユニーク(独自性)を可視化する

T-WEEK2017秋に出展した、グループウェア “desknetsNEO”の新機能「AppSuite」 にフォーカスを当てた展示ブースデザイン。  AppSuiteは、desknetsNEOの中の業務アプリ作成ツールであり、自社業務をシステム化するプラットフォームである。

展示会ブースデザインの事例|JAPAN IT WEEK2017 秋 AppSuite

Designcafeの展示会ブースは、デザインする上で大切にしているルールがあります。それは、「そのブランドが持っているユニークを最大限に活用し、可視化すること」です。会社や商品の特徴でも良いですし、言語化されている共通のマインドでも構わないのですが、展示会ブースデザインではB2C、B2Bコミュニケーションにおけるタッチポイントという事を意識する必要があります。その会社、ブランドの特徴を抽出できるかが軒を連ねる展示会という場で非常に大きな意味(視覚的差異)を産むからです。結果この差異がブランディングの一つの姿として顕在化していき、その体験からファンに結びついていくと考えています。

 

CIやVIとの連携 メールセキュリティベンダーQUALITIA 社の事例

Designcafeは、QUALITIA社のミッションステートメントである「すべてにおいて質の高さを追求し、社会に必要な会社であり続ける。」の質と、独創的なプログラムで高いセキュリティー性能を誇り導入の敷居が低いActiveZoneのプロダクトクオリティに着目。

展示会ブースデザイン|JAPAN IT-WEEK 2018 QUALITIA|Quality&uniQueをテーマにしたブースデザイン。手前の発光するQの造形と奥のQ造形がオーバーラップします。

ブランディングという観点から展示会ブースデザインを考えた時、企業やブランドのシンボルであるロゴ、ロゴタイプ、キービジュアルなどの視覚的なアイデンティティとの連携は欠かせません。また、展示会場で配布するリーフレットや格納するペーパーバッグなどのタッチポイントとなるアイテムは、一貫性を持っている方が望ましいといえます。

一つの事例として上記の写真はIT-WEEK2018春に出展されたメールセキュリティベンダーQUALITIAの展示ブースになりますが、このケースの場合、社名の浸透とメールセキュリティウェアActiveZoneの導入促進の二つのミッションがありました。

そこでDesigncafeは、QUALITIA社のミッションステートメントである「すべてにおいて質の高さを追求し、社会に必要な会社であり続ける。」の質と、独創的なプログラムで高いセキュリティー性能を誇り導入の敷居が低いActiveZoneのプロダクトクオリティに着目。この展示会ブースデザインのテーマは「Quality & uniQue」とし、この二つのワードに潜んでいる”Q”に着目しました。展示ブースデザインのアウトラインは、ロゴタイプに潜んでいるQをフィーチャーし、造形として可視化しています。

展示会ブースデザイン|JAPAN IT-WEEK 2018 QUALITIA|ロゴタイプに潜んでいるQをフィーチャーし、造形として可視化。

このブースデザインに呼応するように展示会の来場者に配布するペーパーバッグも、二つのワードに潜んでいる”Q”をフィーチャーしたグラフィックで一体感を創出しています。また、プロダクトセミナーを盛り上げるナレーターコンパニオンや来場者をお出迎えするコンパニオンのコスチュームも、QUALITIA社のアイデンティティであるブラック&ホワイトのワンピースとし、会場を華やかに盛り上げます。

QUALITIA社の場合、展示会への出展経験が比較的豊富だったこと、確たるVIがある程度整備されていた事など、この展示会で行った施策のベースが整っていた事が幸いしていますが、そこから積み上げることによって出展のポテンシャルを数段上にあげる事ができた好例ではないかと思っています。最終的なインカムやリード獲得数も目標を達成し、昨年を大幅に上回った事は何より自信につながりました。

  1. そのブランドが持っているユニークを抽出、最大限に活用し、可視化すること
  2. 展示会ブースデザインとしてテーマを策定。
  3. CIとVIの観点を持ちつつ、展示会ブースデザインからグラフィック、コスチュームまで通観し、出展社のポテンシャルを伝える

 

いかがでしたでしょうか。このコンテンツは、Designcafeの考える展示会ブースデザインについて(全体編)の続編として関心が寄せられていた展示会ブースにおけるブランディングについてまとめました。まだお読みになられていない方は、ぜひDesigncafeの考える展示会ブースデザインについて(全体編)も合わせてご覧ください。