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中二か中三くらいの少女。
ぼくの方へ歩いて来て・・隣りに座った。
ここはどこだ?
草原か?
砂浜か?
少女は決してこちらを見ない。
あちら側を向いて、少し下へ視線を落としている。
耳の後ろの髪をかきあげた。
ここへキスしろ、というわけだ。
耳の下あたりに、軽くキスした。
ほんのり石鹸のような匂いがした。
女性のこのあたり・・耳の下のあたりって
すごくきれいだ。
この子は、何を訴えたいんだろう。
とても何かを伝えたい。
そんな感じを受ける。
でも黙ったままだ。
一言も喋らない。
決してこちらを見ない。
じっと前を見ている。
その姿をぼくに見せている。
感じ取れ、ということか。
理解しろ、と。
この子が、「何か」に対して
静かな不満を抱いているのは分かった。
いま目の前に、その「何か」がいるらしい。
そこから視線を外すことができないようだ。
いや、誰かに見てて欲しいだけかな?
真っ直ぐに「それ」と向き合っている姿を。
安易に手を貸さない。
・・そんな人間だとぼくを見込んで、隣りに座ったのかも知れない。
自分で向き合うから。
手を貸さないで。
ただ見てて。
そんな声が聞こえたような気がした。
この子は誰だろう?
前から知っていた気がする。
巨大なコンテナ車が通り過ぎた。
一瞬、その重たい通過音しか聞こえなくなった。
うるさい。
くらくらする。
そのとき、ほんの少し・・気づかないくらい僅かに、
少女の口元に笑みの色が射したような気がした。
よくぞ、ぼくを見つけてくれた。
どうもありがとう。