東京ミッドタウン

Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?

21_21 DESIGN SIGHTで開催中の企画展「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」をようやく見に行ってきました。「はかる」ということにフォーカスを当てた展覧会で、色々な視点で見る事で知覚を呼び覚ますようなとても楽しい展示会です。「はかる」という漢字一つとっても「計る」「測る」「量る」「図る」と言った具合に表現が異なります。デザインにおいてはサイズを図ったり、計測したりする事は日常的に発生するごく普通の行為ですが、自分の生業から遠い「単位」だとなかなか関心を持てず、希薄になりますね。以下、公式サイトのイントロダクションから引用です。

空気、水、モノ、光、音、自然環境――そのままでは捉えにくい世界に一定の基準を設けることによって比較や共有を可能にした知恵と思考の道具。それが「単位」です。長さを測るメートル、重さを量るグラム、時間を計る秒など、私たちの身の回りには様々な単位があり、生活するうえで欠かせないものとなっています。身近にあるデザインも数々の単位の掛け合わせによって生まれています。 世界の共通言語のように誰でも使える単位がある一方で、それぞれの社会や風土に根ざした独自のものもあります。たとえば日本なら畳のサイズや坪数など、今でも暮らしに深く根づいている尺貫法。イギリスではごく最近まで距離をヤードによって定めていました。通貨の単位も国によって様々です。近年ではピクセルやバイトなど、新しい単位も生まれています。 また、建築、プロダクト、印刷やパッケージなどの製品を開発するためには設計、製作、流通、販売にいたるまで、ありとあらゆるものづくりの過程において様々な単位が用いられます。この単位を通して、私たちは思い描いたイメージを共有し、形づくっていくことができます。 単位をテーマとした本展は、多種多様なモノやコトの中にどのような単位があるのかを知り、実感することによって、モノがつくられたプロセスやデザインに対する考え方、さらには単位が生み出された文化や社会背景を見つめるきっかけとなるでしょう。 単位で遊ぶと世界は楽しくなる。単位を知るとデザインはもっと面白くなる。 単位というフィルターを通して、私たちが普段何気なく過ごしている日常の見方を変え、新たな気づきと創造性をもたらす展覧会です。

中でも特に印象に残った展示をご紹介・・

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」単位の体験コーナー

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」単位の体験コーナー

「単位の体験」
世界で使われている様々な「長さ」「重さ」を可視化し体験出来るコーナー。重さの方も体感出来るようにぶら下がっています。この展示会のベースになる展示ですね。

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」お金の比較コーナー

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」お金の比較コーナー

「お金の比較」
普段の生活に欠かせない「お金」を面積と重さで比較した展示。紙のお札がなぜ高額になるのか、サイズと重さで比較するとわかり易いです。

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」ことばのおもみコーナー

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」ことばのおもみコーナー


「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」ことばのおもみコーナー

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」ことばのおもみコーナー


「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」ことばのおもみコーナー

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」ことばのおもみコーナー

「ことばのおもみ」
普段意識しない、ことば(この展示ではひらがな)を「重さ」というスケールに置き換えた展示ですが、アクリル切文字で製作した濁点(、)を1gとした時を基準に各文字の重さを量って、その文字が「ことば」となった時の重さを比較する展示。「しごと」と「かてい」では、やはり家庭の方が重いんだ、とか(笑)ユーモアがあって面白いです。

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」地球の自転と月の公転を可視化したコーナー

「単位展 ― あれくらい それくらい どれくらい?」地球の自転と月の公転を可視化したコーナー

「地球の自転と月の公転を可視化した展示」
台の中に仕込まれたセンサーがあり、台の上に乗っている間に「地球の自転」と「月の公転」がどの位の距離で変化したかが解るようになっています。

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー


酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー


酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー


酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー


酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー


酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー


酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示コーナー

「酒樽から徳利までを同じ内容量で比較した展示」

内容量は同じなのに、容器となる樽・一升瓶・一号徳利・升・喰い呑みと細分化される程面積が巨大化していく様子が体感出来る展示。

こんな感じで比較展示が中心なので非常にわかり易く、意外な視点ももつことができるのでとても楽しめます。5/31までミッドタウンの21-21デザインサイトで開催中なので、まだの方はぜひ。親子でも楽しめますよ。。


単位展 – あれくらい それくらい どれくらい?

【開催期間】2015年2月20日(金)~5月31日(月)
【時間】11:00~20:00 ※入場は、19:30まで。
※2015年4月25日(土)は六本木アートナイト開催に合わせ、24:00まで開館延長。
【休館日】火曜日 ※5月5日(火)は開館。
【会場】21_21 DESIGN SIGHT
【住所】東京都港区赤坂9-7-6
【TEL】03-3475-2121
【入場料】一般 1,000円、大学生 800円、中高生 500円、小学生以下 無料

 

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21-21 DesignSightの企画展「活動のデザイン展」を観に行ってきました。社会が抱えている問題を俯瞰的に捉え解決するデザイン活動にフォーカスを当てた展示会です。以下、開催概要からの引用ですが、

20世紀後半の情報革命以降、世界の距離はますます短くなり、私たちの生活や日々の意識は大きな変化の時を迎えています。知識や手法が高速で更新される一方、社会の不均衡や倫理、価値観を問い直す機会も増えています。こうした時代に大切なのは、それぞれに考え、動き、確かに伝えることではないかとの問いをもとに、本展は企画されました。手にとることのできるものづくりに限定せず、社会が抱える課題を読み解き、問題を解決しようとする意志や活動そのものに目を向けます。

アルヴァロ・カタラン・デ・オコン 「ペット・ランプ」 2012年-

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アルヴァロ・カタラン・デ・オコン 「ペット・ランプ」 2012年-

アルヴァロ・カタラン・デ・オコン 「ペット・ランプ」 2012年-


アルヴァロ・カタラン・デ・オコン 「ペット・ランプ」 2012年-

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マスード・ハッサーニ 「マイン・カフォン」

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マスード・ハッサーニ 「マイン・カフォン」

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マスード・ハッサーニ 「マイン・カフォン」2011年-
これは「世界を変えるデザイン展」でも紹介されていたのですが、風の力を利用して自ら転がっていく地雷除去装置です。作者であるハッサーニ(アフガニスタン出身)が子供の頃に遊んだという玩具から着想を得ていて、竹と安価に量産出来る接地脚(丸い部分)でシンプルに構成されているため簡単に製作する事ができます。地雷は除去するのに膨大な時間と労力がかかりますが、それを解決するツールとして期待されていますが、「マイン・カフォン」実施後に全てを除去できたどうか探知機などで調べないと安全性が担保されないという課題も背負っています。

ジョセフィン・ヴァリエ 「リビング・アーカイヴ」 2011年-

ジョセフィン・ヴァリエ 「リビング・アーカイヴ」2011年-

 日々の経験や知識をデザインで共有する活動
ジョセフィン・ヴァリエ 「リビング・アーカイヴ」2011年-
スウェーデンと日本からパンを焼くための天然酵母を集め、酵母にまつわる個々のストーリーや知識をアーカイヴし、展示によってシェアすることを試みるプロジェクト。

フロント&シアザマ プロジェクトエディションス イン クラフト 「ストーリー・ベース」2011年

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フロント&シアザマ プロジェクトエディションス イン クラフト 「ストーリー・ベース」2011年

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エディションス イン クラフト 「ストーリー・ベース」
2011年

DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」2012年

DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」2012年


DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」2012年

DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」2012年


DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」 2012年

DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」2012年

 アノニマスな行為をたたえ、記録する活動
DNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 「ロースさんのセーター」
2012年

「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年-

「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年-


「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年-

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「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年-

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「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年-

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修理・修繕で誰かの課題を解決する活動
「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年- 既に存在するプロダクトや素材をワークショップやコラボレーションの場でシェアしながら、ユーザビリティーを解決する試みです。

「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年- 

「フィックスパーツ」参加作家:aomo、アトリエ ホコ、長坂 常、菱川勢一、クビーナ、サラン・イェン・パニヤ 2012年-


日本の修理・修繕の精神 鉄絵茶碗 (日本民藝館所蔵)桃山時代〜江戸時代初期

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ヒューマンズ シンス 1982 「ア・ミリオン・タイムズ」2014年

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384個の時計が並んだ作品。プログラミングされた針は、規則的な動きの中から言葉や数字を生み出します。アナログな時針と分針の二つの要素を配列複製させる事によってパターンを生み出していく様子は圧巻です。

ダグラス・クープランド 「21世紀初頭のスローガン」2011年-

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ダグラス・クープランド 「21世紀初頭のスローガン」2011年-

ダグラス・クープランド 「21世紀初頭のスローガン」2011年-

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スタジオ スワイン 「カン・シティ」 2012年

スタジオ スワイン 「カン・シティ」2012年

廃棄物とストリートカルチャーをクラフトでつなぐ活動
スタジオ スワイン 「カン・シティ」
2012年

 

タイトル:
企画展「活動のデザイン展」
会期:
2014年10月24日(金) – 2015年2月1日(日)
休館日:
火曜日(10月28日、12月23日は開館)、年末年始(12月27日 – 1月3日)
開館時間:
11:00 – 20:00(入場は19:30まで)
入場料:
一般1,000円、大学生800円、中高生500円、小学生以下無料
*15名以上は各料金から200円割引
*障害者手帳をお持ちの方と、その付き添いの方1名は無料
主催:
21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団
展覧会ディレクター:
川上典李子、横山いくこ