香港のヘリテージに興味があったので、元郎(ユンロン)から天水園の間にまたがる散歩道”屏山文物徑 (Ping shan heritage trail)”にチャレンジしてきました。普通は、元郎から行くようですが僕らは天水園から逆コースで。付近には、1000年以上前に中国大陸から移住してきた「原居民」と呼ばれる人々が作った建築物が多く残されており、建物をみながら散歩できるように整備されています。かしこまったコースではなく、普通の古住居街を見て回るような感じです。

大きな煉瓦造の建物は「上璋圍」とよばれる、この付近に住んでいた鄧氏(地元の名士)が築いたもので、煉瓦の壁の中に住居があります。今でも普通に住居として使われており、一般のお宅なので観光客の立ち入りは禁止されています(・・がそれとは知らずに入って写真を撮ってしまいました。住民の方にシャイシェイ言って w ごめんなさい)青煉瓦で創られた典型的な中国南部の住宅で外側は外敵から守れるように構築する客家の様式も色濃く感じます。佇まいがあって、なかなかいい感じですが、路地は迷路のように狭く、入り組んでいるので初めて入ると居場所がわからなくなりそうです。 この辺りは一帯が古い街並が残っているのですが、全て今でも使われていて管理が行き届いている感じ。この辺は同じ中国でも、例えば朱家角とかとはだいぶ違いますね。

次に訪問したのが、鄧氏宗祠(右写真)と愈喬二公祠。鄧氏というのはもともとこの辺りに住んでいた一族で地元の名士だそうです。その祖先を祭っているのが鄧氏宗祠。となりにある愈喬二公祠は瓜二つの建物ですが、こちらは学校として使われたいたとのこと。確かに作りがそれとなくなっています。ちなみに訪れた時は旧正月の準備で追われていたようで、飾り付けに余念がありませんでした。 壁のブリックはフェイク(笑)アッシュブルーの壁に目地の線が引かれていたのはご愛嬌でしょうか・・

この鄧氏宗祠。鄧氏の家系譜によると1550年に建立されたと記録が残っているそうで、三進両院式(三つの部屋と二つの中庭から成り立つ建物)の伝統的な様式建築。法定遺跡にも指定されており、香港内に残る三進両院式の建造物の中ではもっとも壮大な規模を誇ります。正門の両側に鼓台があり、そこに建つ二つの柱で屋根を支えており、建物内の梁の上には色鮮やかな彫刻や縁起がよいとされる動物たちが多数描かれ、中国の伝統的芸術を見ることができます。 二公祠の方は、16世紀に鄧氏第十一代世祖、鄧世賢とその弟、世昭により建立されました。古来より集落内の師弟を教育する学校として利用され、1931~1961年の30年間は「達徳学校」という学校がこの建物を使用していました。正門の石額によると、建物は1875~1908年に大規模な修復が行われたそうです。

最後は、屏山鄧族文物館 (Ping Shan Tang Clan Gallery)へ。鄧氏宗祠からは歩いて約10分ほど、屏山、元朗を見渡すことができる小高い丘の上に建っています。1899年に建てられた屏山警察署を改築した資料館で、鄧氏に残る古文書、纏足や服の数々が所狭しと飾られていて、中世から近世に掛けての(ちょうど清の時代)の貴重な資料が見学できます。資料館の裏手には元朗を見渡すことができる休憩所があり、眼下にはまるでトーチカのような亀甲墓が広がります。

そんな感じの屏山文物徑でしたが、なかなか見応えがあって良かったです。帰りはバスで元郎駅まで行き、そこで軽くお茶して、マッサージをしに九龍へ w さすがに三日目に歩き回ると足腰に来ます・・この辺の事はまた今度。次は食事の事を書きます。

 


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HongKong 2014 Reported by Futoshi Hirasawa

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