東京大学生産技術研究所S棟1階ギャラリーで開催していた「チタン / 3Dプリンティング〜マテリアルの原石」展へ行ってきました。 東京大学の先端研究をデザインし展示する企画「Research Portrait」の一環でチタンと3Dプリンティングの可能性が垣間みれる面白い展示です。


以下イントロダクションからの引用ですが

01のテーマはチタンと3Dプリンティング(AM: アディティブ・マニュファクチャリング)。「強く、軽く、錆びない」といわれ、高級なイメージのあるチタン。どのような形でも自在に作れるかのようにいわれる3Dプリンティング。どちらも現在、とても注目度の高い「マテリアル」ですが、いまの技術の限界から、まだまだ人々には少し遠い存在です。そして、その性質や性能について、正しく理解されているとは言い難くもあります。

わたしたちの生活は、技術の進歩により変わっていきます。チタンの精錬技術が向上したとき、また、3Dプリンティングの製造技術が発展したとき、デザイナーたちは、エンジニアたちは、どのようなプロダクトを生み出せるでしょうか。

今回の展示では、チタン製家具や3Dプリンティングよる電動義手やロボット、そしてさまざまな実験サンプル、技術資料などを通して、いまより少し先のプロダクトの可能性を考えます。未来のかけらを一緒に見つけていただければ幸いです。

チタンの展示写真を取り損ねてしまったのですけど、「3Dプリンターでここまで出来る」という可能性を見ながら、チタンと言う素材の持つポテンシャルを素人でもわかり易いように展示されていて、またその展示がとても美して思わず見入ってしまいました。以下はその様子です。

今では数万円で手に入るまでになった3Dプリンターですが、当初は石膏やプラスチックなどをプリントするのが主流で、そこから他の素材への転用が試みられています。そのなかで衝撃的だったのが粉末チタンを活用した芸術的な3Dプリントチタンラグを創り自転車界に衝撃を与えたVORWAERTZ(ドイツ)。そのあとCHARGE(イギリス)が3Dプリント・チタンドロップアウトを発表し、3Dプリントチタンもここまで来たのかと思ったものです。VORWAERTZはアートとしての可能性をCHARGEは実用性に主眼を置いていますが、審美性も実用性もスタンダード化していくプロダクトデザインにとっては重要な要素ですから、この二つの可能性には非常に興味にそそられます。

チタンを使った3Dプリンターの可能性は究極のマニファクチャーです。人の手で生み出す事の対極にある3Dプリンターですが、金型がいらずデザインから製造までのプロセスがシームレスに一貫性をもって生み出す事ができる3Dプリンターの可能性には遠くない未来を感じます。そんな未来のかけらが垣間みれた素敵な展示でした。

「チタン / 3Dプリンティング〜マテリアルの原石」展

日時2014年10月23日(木)- 11月2日(日) 11:00 – 19:00(入場無料)
場所東京大学生産技術研究所S棟1階ギャラリー
主催東京大学山中研究室、岡部研究室、新野研究室
協力アスペクト株式会社、トーホーテック株式会社、東京大学前田研究室

 駒場にある東京大学生産技術研究所へ行ったのはこれが二回目なのですが、佇まいがあって素晴らしい環境。正門から奥にあるS棟まで写真を撮りながら歩いてしまいました。笑 途中のメインビルディングは建築家原広司さんの設計。新旧の建築が広大な敷地に点在していて独特の景観を生み出しています。S棟は使わなくなった風洞実験の施設をコンバージョンしており、S棟含めた周辺の佇まいがどことなくバウハウスのデッサウ校の雰囲気にも似ていて(笑)面白かったです。