バルセロナ

Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

Barcelona 2015 Vol.06|サグラダ・ファミリア

灯内部のからの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、窓越しの風景や、踊り場で展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの尖塔部の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの外部展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

サグラダ・ファミリア。内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。

受難のファサード。ディティール。

内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。

受難のファサード。ディティール。

生誕のファサード。ディティール。

生誕のファサード。ディティール。

生誕のファサード。ディティール。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。

内部の様子。

内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。

内部の様子

サグラダ・ファミリア。受難のファサード

サグラダ・ファミリア。受難のファサード

サグラダ・ファミリア。生誕のファサード

 バルセロナ三日目。サグラダ・ファミリアへ。

Text / Photo @Hirasawa Futoshi / FUJIFILM X-T10 + XF14 F2.8 & XF18 F2

三日目後半は、サグラダ・ファミリア、Suites Avenue、カサ・ミラなどを中心に散策しました。今回のエントリーでは、サグラダ・ファミリアについて。

 

サグラダ・ファミリア (Sagrada Família)

アントニ・ガウディが、生涯をかけて取り組んだ未完の教会、サグラダ・ファミリア。モダニズム建築の最も良く知られた作品例であり、恐らくスペインで最も観光客を集める事の出来る建築物です。すべて個人の寄付によって建設される贖罪教会として計画されたサグラダ・ファミリアは、非常に緻密に構成されていながら象徴性とシンボロジーが際立っており、その壮大な計画(計画当初は300年掛かると言われていた)から、(未完ながら)アントニ・ガウディ最高傑作と呼ばれています。現在はCADによる設計図書の解析、寄付の多寡、観光収入の増加に拠って工事が進み、2026年には完成とのアナウンスされています。

サグラダ・ファミリア。生誕のファサード 


サグラダ・ファミリア。生誕のファサード


サグラダ・ファミリア。受難のファサード


サグラダ・ファミリア。受難のファサード

 ガウディは詳細な設計図を残していない(図面ではなく大型模型や紐や錘りで構造を検討)上に、スペイン内戦と混乱で、弟子たちが作成した資料なども大部分が消失しています。忠実な資料が無くガウディの構想通りとはならないこの建築物の建造を続けるべきかどうかで、相当議論があった様ですが、関わっている職人達の伝承や大まかなデッサンなどの残された資料を頼りに、その時代の建築技術者や知識人が、元設計を推理しながら建設を進めています。

受難のファサード。ディティール。


受難のファサード。ディティール。


生誕のファサード。ディティール。


生誕のファサード。ディティール。


生誕のファサード。ディティール。

2015年現在は、北側のファサードと東側のファサード(生誕のファサード。一番最初に完成したファサード)と西側のファサード(受難のファサード)は完成し、最終的には18本建てられる塔の内、8本が完成し10本の塔が未完の状態。イエスの栄光を表現したメインファサードはまだ完成していません。これらの塔の内、12本がシモン・ペトなどの12使徒、4本がマルコなどの福音書記者、1本が聖母マリア、1本がイエス・キリストを象徴するものとされています。

内部の様子


内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。


内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。

内部は、見ての通り象徴性を持たせながらモデルニズモ特有のカオスティックな意匠が構造と一体化しており、訪問した人を圧倒します。自然を愛したガウディらしく、天蓋部を眺めると森の中に居るような錯覚を覚えます。西と東でステンドグラスの配色が変えられているのも、陽の光を計算した上で、一日の移ろいを感じられるように配慮した結果で、この空間に特有の彩りを添えています。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。


半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。


半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。


灯内部のからの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの尖塔部の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの外部展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部のからの展望も出来るようになり(入場料とは別料金)、チャレンジ。エレベーターで一気に上まで上がり、窓越しの風景や、踊り場で展望を楽しみながら、螺旋階段で下るのですが、入場を制限されているとは言え、一本階段を下るのでかなり急かされたりします。笑)

サグラダ・ファミリア。内部の様子。

 個人的には前回来訪したとき(2003年)は、聖堂内部や受難のファサードが完成していなかった事もあり、この進捗が垣間みれただけでも良かったのですが、思いのほか建設が進んでおり、最終的な完成の折りには、また訪問してこの歴史的な傑作を間近で堪能したいと思いました。ITが進み、解析技術が進んでも、究極の手仕事(特に彫刻)で造っている訳ですし、そこに感動のポイントがある訳ですからね。

ちなみにサグラダ・ファミリアは2015年現在、入場に事前予約が必要で料金は入場料+タワーへ上るエレベーターチケット込みで19.5€。入場料としてはかなり高額ですが、バルセロナの主要な建築&建造物はほぼ似たり寄ったりなので、セットチケットやバウチャーで利用出来る所は纏めたほうが無難です。

 

Sagrada Família (Temple Expiatori de la Sagrada Família)
Plaça de la Sagrada Família
Sagrada Familia (L2, L5)

 

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

過去のDesigncafeのデザイン旅行記はこちらのページでご覧ください。

Barcelona 2015 Vol.04|カタルーニャ音楽堂〜ラス・アレナス

バルセロナ二日目。後半。カタルーニャ音楽堂からラス・アレナスへ。
Photo @Hirasawa Futoshi / FUJIFILM X-T10+XF14 F2.8&XF18 F2

カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

カタルーニャ音楽堂。南面のファサード。

1908年に建築家リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー(Lluís Domènech i Montaner)の設計によって完成した、モデルニズモ様式のコンサートホール。1997年に世界遺産に登録されていますが、現在も現役で使われているコンサートホールです。元々は、カタルーニャを代表する合唱団、ウルフェオー・カタラー(Orfeó Català、1891年設立)の為に、バルセロナの企業家たちが資金援助して建てられたホールなだけに、ディティールまで創り込まれた凝った建築です。

カタルーニャ音楽堂。ファサード東側。


カタルーニャ音楽堂。南面のファサード。露出上げて撮影。


カタルーニャ音楽堂。南面のファサード。露出上げて縦構図で撮影。


カタルーニャ音楽堂。西の増築部分のファサード。


カタルーニャ音楽堂。南面のファサードからのエントランス部。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。1Fより撮影。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。2F観覧席より撮影。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。2F観覧席より撮影。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ部分のステンドグラス。木製サッシュでオープンウィンに解放出来ます。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ外側のバルコニーの柱脚部ディティール。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ外側のバルコニーの柱脚部ディティール。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ外側のバルコニーの柱脚部ディティール。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ天井のシャンデリア。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエのステンドグラス。別アングルから。


カタルーニャ音楽堂。コリドールにアクセスする階段。


カタルーニャ音楽堂。ホール2F観覧席へアクセスする前室上部のステンドグラス。

 見ての通り、美しい色彩のコンポジションと様式美の粋を尽くした感じの設えですが、リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネーは、アントニー・ガウディに建築を教示した人物なので、建築家としての力量は説明不要でしょう。豪華絢爛には違いないのですが、同時期影響を受けた(はず)のアールデコに比べ、スペインの土着的な要素が見え隠れします。そこにこのホールの魅力が潜んでいるのかな、と。ステンドグラスの大胆で精巧な設えは、モデルニズモ建築の中でも随一だと思います。

カタルーニャ音楽堂へは、平日(2015.8.26)だった事もあり予約もせず行ったのですが問題なく入れました。入場料は18€。この入場料にはスペイン語・英語のいずれかのガイドが付き、館内の名所を案内してくれます。入場料としてはやや高額なので、もし時間がある方はライブチケットを購入して夜観覧する方をおススメします。ガイドは付きませんが、このホールのポテンシャルが堪能出来ると思いますよ。

PALAU DE LA MÚSICA CATALANA(カタルーニャ音楽堂)
ADD: C/ Palau de la Música, 4-6-08003BARCELONA
Phone: 93 295 72 00

 

 ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)

ラス・アレナス。元々は闘牛場。2011年にコンバージョンして完成したショッピングセンター。

 ラス・アレナスは、2011年に闘牛場だったアリーナをショッピングセンターにコンバージョンした複合施設で、設計はロンドンの設計事務所Rogers Stirk Harbour + Partners が担当。ファサード面は、闘牛場時代の面影を残しつつも、内部は根こそぎコンバージョンしている大胆な設計の施設です。

ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)の屋上北側のビュー。


ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)の屋上南側のビュー。


ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)の外観全景。

 このラス・アレナス、思いのほか二日目の旅程がスムーズに進んだので一旦ホテルに戻り、夕飯求めて向かったのですが(元々行く予定が無かったこともあり)まじめに写真を残していません。。dezeenに詳しい解説が紹介されていますので割愛しますが、内部は、ダブルスキンの二重構造。物販テナントを中心に配置されていて、屋上部分が展望エリアとレストランが360度展開されています。観光客は、ここからの眺望を求めて食事に来る人が殆ど(僕らもそう。笑)です。

所業施設的には、可もなく不可もなく無難ですが、スペイン広場の脇と言う立地ですから、観光と商業の二面性からの配慮(特にアクセシビリティ)されています。バルセロナのニーズなのでしょうが、彼らはこのようなコンバージョンが抜群に上手いですね。

ちょっと脱線しますが、個人的には、著名な建築家が手がけた世界的名作建築を見るのもの楽しいのですが、その地場に根付いた建築家やデザイナーの地道な仕事に興味があります。特にヨーロッパの場合、ローカルで力のある人が多いですし、刺激になりますから。また、記録として撮る写真も(個人的に写真が好きなのは置いておいても)建築誌に出てくるようなスタティックな美しさを求める写真ではなく、経年後の様子や周辺環境との交わりなどが見えるように撮っています。こうしておけば、数年後に再び訪れた時に「記録」の比較が出来ますからね。。

 

ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)

ADD : Gran Via de les Corts Catalanes, 373-385, 08015 Barcelona,
Phone : +34 932 89 02 44

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

過去のDesigncafeのデザイン旅行記はこちらのページでご覧ください。

 

Barcelona España 2015 Vol.03|バルセロナ現代美術館〜サンタ・カタリーナ市場

バルセロナ現代美術館(MACBA)

バルセロナ二日目。バルセロナ現代美術館から徒歩でサンタカタリーナ市場まで。

二日目は、バルセロナ現代美術館からスタート。グエル邸、エル・バリ・ゴシック(ゴシック建築の街並)、サンタ・エウラリア大聖堂、サンタ・カタリーナ市場、カタルーニャ音楽堂などを中心に散策しました。今回のエントリーでは、その前半。バルセロナ現代美術館からサンタ・カタリーナ市場までの事を中心に書きます。

MACBA バルセロナ現代美術館

バルセロナ現代美術館(MACBA)ファサード面。


バルセロナ現代美術館(MACBA)ファサード面。

リチャード・マイヤーが設計、1995年に完成したバルセロナ近代美術館。歴史的な風致地区ラバルにあるモダンな美術館ですが、目の前の広場は冬期スケートリンクになるなど、路地が狭く薄暗いラバル地区に広いスペースと一筋の光をもたらせたともいえます。マイヤーがリスペクトする「白」を基調としたコンポジットなファサードに、恣意的な曲線が織りなし、バルセロナの空とのコントラストが絶妙にとけ込んでいます。

MACBA バルセロナ現代美術館。近影


MACBA バルセロナ現代美術館。ファサード内階段のボリューム。

館内の展示は、常時展示と企画展示とが行われており、美術館のコレクションを展示する常展示は、5700点のコレクションから4~5ヶ月ごとに展示を変えています。残念ながらこの日は休館日。後日見学するとして、周辺の環境を見学しました。

MACBA バルセロナ現代美術館。キースへリングがエイズ撲滅活動のために描いた壁画が再現

美術館の外には、スペインの有名な現代彫刻家 Jorge Oteiza の作品「波」が常設。近くには1989年に、キースへリングが当時のラバルの公園の壁にエイズ撲滅活動のために描いた壁画が、この美術館の広場に再現されています。

MACBA バルセロナ現代美術館。目の前の広場の西側


MACBA バルセロナ現代美術館。デルサンジェルス広場の対面にある建物。


MACBA バルセロナ現代美術館。デルサンジェルス広場の対面にあるCafe

さらには、美術館の向かいにある中世からの教会とその建物が、バルセロナ現代美術館の一部として、大きな作品の展示や、一部の作品の保管などに利用されています。美術館としての役割は、単に美術収蔵品の展示、啓蒙、管理に留まらず周辺環境との調和、アートに対する積極的な発信がありますが、このバルセロナ現代美術館は、非常によく纏まっていて、裏手に当たるバルセロナ現代文化センター(Centre De Cultura Contemporanea De Barcelona)との環境面の連携は見事でした。

MACBA (Museo de Arte Contemporáneo de Barcelona)
バルセロナ現代美術館
設計:リチャード・マイヤー
ADD : Plaça dels Àngels, 1 08001 Barcelona
Tel.: + 34 93 412 08 10
Fax.: + 34 93 412 46 02
URL: http://www.macba.cat/
月曜閉館 

CCCB バルセロナ現代文化センター 

バルセロナ現代文化センター(Centre De Cultura Contemporanea De Barcelona)ヘムンタグレ通りからエントランス&コリドーを眺める


バルセロナ現代文化センター(Centre De Cultura Contemporanea De Barcelona)ヘムンタグレ通りからのビュー


バルセロナ現代文化センター(Centre De Cultura Contemporanea De Barcelona)。敷地はこじんまりしている

バルセロナ現代文化センター(Centre De Cultura Contemporanea De Barcelona)は、1994年2月にオープン。建築、デザインなどバルセロナの20世紀の現代アートを代表する作品が常に展示されている地元の人たちの間で人気のアートスポットです。バルセロナ現代美術館と同じく月曜閉館(2015年8月現在)なので中は見学出来ませんでした。

バルセロナ現代文化センター(Centre De Cultura Contemporanea De Barcelona)

CCCBは、約15,000平米の延べ床面積があり、1802年に創設されたバルセロナ慈善団体(Casa de la Caritat de Barcelona)の建物をリノベーションしています。設計したのは、エリオ・ピニョン&アルベルト・ビアプラーナ。U字型の配置、北側の地上30メートルの全面ガラス張りの建物でへムンタレグレ通りからは、中に踏み込まないと中が窺い知れない造りになっています。

CCCB バルセロナ現代文化センタ
設計:エリオ・ピニョン&アルベルト・ビアプラーナ
ADD: Montalegre 5 Plaza Catalunya (L1, L3)
TEL: 93-306-4100
URL:www.cccb.org
営業時間:11時から20時まで 
月曜閉館
入場料:大人4.4ユーロ 16歳以下は無料

ランブラス通り(La Rambla)・サン・ジュセップ市場 (Mercado de Sant Josep)

ランブラス通り(La Rambla)に合流する車道


ランブラス通り(La Rambla)に合流する路地で見つけた自転車屋


ランブラス通り(La Rambla)に入る前に見つけたCafe


ランブラス通り(La Rambla)


ランブラス通り(La Rambla)


ランブラス通り(La Rambla)


ランブラス通り(La Rambla)


ランブラス通り(La Rambla)


ランブラス通り(La Rambla)の沿道にあるサン・ジュゼップ市場(Mercat de Sant Josep)

ランブラス通り(La Rambla)はバルセロナを代表するメインストリートで、旧市街地に位置し、市の中心部から臨海地区まで続く長さ1.2kmの並木道です。沿道には、サン・ジュゼップ市場(Mercat de Sant Josep)や少し入った所にグエル邸があります。 このランブラス通りは、バルセロナきっての繁華街であるのと同時にスリの名所(前回、個人で行った時はポケットに入れていたダミー財布が見事にすられました。苦笑)でもあるのですが、今回はスリ対策を施していったので幸い被害には遭わずにすみました。最近はiPhoneスリなる、スマートフォンを狙ったスリがヨーロッパの各地で多発しているらしいので、行かれる方は対策が必要ですよ。

Mercado de Sant Josep (サン・ジュセップ市場(ボケリア))
ADD:La Rambla 85 -89
TEL:(34) 93 318 2017
開店時間:8:00~20:30
定休日:日曜

ゴシック地区 Gothic Quarter (Barri Gotic) 

ゴシック地区のサン・ジャウマ広場 (Plaça de Sant Jaume)


王の広場(Plaça del Rei)

 ゴシック地区は、ランブラス通りの東側に位置する、ゴシック建築の街並が林立する旧市街エリアにあります。ゴシック様式で建てられた建築物が中心なのでこの名がついている訳ですが、中世からの建物も多く、サグラダ・ファミリアやカタルーニャ音楽堂などの所謂モデルニズモ様式よりも前の時代の様式感ですから、バルセロナの人からするとちょっと古くさい感じに映るのかもしれません。

ゴシック地区のアパートメント


ゴシック地区 (Barri Gotic) のフェラン通り

 路地そのものはとても狭く、迷路のように入り組んでいるので、油断すると迷います(笑)。歴史がある街だけに、スペイン内戦時の傷跡も残しており、時代性を感じる事ができます。また狭い路地故に薄暗く、夏の日差しが強く日中暑いバルセロナでは、日陰の中で散策出来るのはここぐらいではないでしょうか。

バルセロナ市庁舎(Casa de la Ciutat de Barcelona)

バルセロナ市庁舎(Casa de la Ciutat de Barcelona)


ゴシック地区 (Barri Gotic) の路地


ゴシック地区 (Barri Gotic) の路地


ゴシック地区 (Barri Gotic) の路地


ゴシック地区 (Barri Gotic) の路地


ゴシック地区 (Barri Gotic) の路地


ゴシック地区 (Barri Gotic) の路地

サンタ・エウラリア大聖堂  La Catedral de la Santa Creu i Santa Eulàlia 

サンタ・エウラリア大聖堂

サンタ・エウラリア大聖堂 (La Catedral de la Santa Creu i Santa Eulàlia)は、ゴシック地区の中心にあるカトリック教会の教会で、13世紀から15世紀にかけゴシック様式で建てられています。バルセロナ市民からは単にラ・セウ(La Seu)と呼ばれており、バルセロナ大司教座が置かれています。入場は無料(2015年8月現在)ですが、帽子は被らず手で持つ、肌の露出が多い洋服を着ている場合はストールなどで肌を隠すなど、一定のドレスコードがあります。

サンタ・エウラリア大聖堂


サンタ・エウラリア大聖堂のコリドー


コリドーに配置された噴水もディティール

サンタ・エウラリア門から入場して、中庭のコリドーを眺めながら本堂内部へ進みます。中には13歳で殉教した聖エウラリアにちなみ13羽の白いガンが飼われており、ユニークです。コリドーに配置された噴水もディティールが素晴らしく、思わず見入ってしまいました。

サンタ・エウラリア大聖堂の本堂内部


サンタ・エウラリア大聖堂の本堂内部


サンタ・エウラリア大聖堂の本堂内部


サンタ・エウラリア大聖堂の地下納骨堂。聖エウラリアの遺骸は、当時のバルセロナ司教フロドイによってここに収められている。


サンタ・エウラリア大聖堂の本堂内部。プリンシパル門側からのビュー。


本堂内部

本堂内部は、他のゴシック様式で建てられた教会建築と違わず壮厳です。現在はLEDでライトアップされているので、見ての通りですが創建当初は薄暗く(ロウソクなどあったにせよ、窓のある最上部を除けば)ここまで見えなかったのでしょうね。神聖な雰囲気と外の喧噪。このギャップも良いのですが、バルセロナの代名詞であるモデルニズモ建築と比較する上でも、見ておきたい聖堂です。

サンタ・エウラリア大聖堂

ADD:Pla del la Seu, 08002 Barcelona
開館時間:8:00~19:30
入館料:平日 8:00~12:45、17:15~19:30:無料/13:00~17:00:寄付制
日曜祝日 8:00~13:45、17:15~19:30:無料/14:00~17:00:寄付制
休館日:無休
URL:http://www.catedralbcn.org/index.php?lang=en(英語版)

 サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina

サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina ファサード面


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina ファサード。バル&レストラン入口。

旧市街にあるサンタ・カタリーナ市場は、個人的に二度目のバルセロナで特に見たかった建築の一つであり、「建築と食」をシームレスに具現化している数少ない施設です。a+uのスペイン特集でも表紙を飾った、リノベーション後の恣意的で情熱的な屋根形状のおかげで一際目立っています(笑)。 設計を担当したのはエンリック・ミラーレス、ベネデッタ・タリアブーエ共同主宰のバルセロナの設計事務所EMBT

改修前の旧市場は、かつてのサンタ・カタリーナ修道院の跡地に1848年にオープンし当時バルセロナで唯一の屋根付きの市場でした。この改修(1997-2005年)ではトレードマークの「新しい屋根」が架けられ、旧市場の名残は屋根から下のファサード面や入り口にのみ見ることができます。この改修そのものはバルセロナ市が主導し、新しいランドマークとしての期待も込めた事から、このような挑戦的なリノベーションになったようです。実際、大抵のガイドブックには掲載されているサン・ジュセップ市場(前出)や他の市場だけでは、観光客を賄いきれないと思いますし、保守的なゴシック地区にこのような市場を蘇生させる事には意味がありますからね。

サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina ファサード。バル&レストラン入口。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。バル&レストランそ側面入口。

この特徴的な屋根は、主軸を鉄骨、補助フレーム以降は木製(恐らくパイン材)で、外部屋根に六角形のテラコッタタイル敷き詰める方法で施工されており、日本では雨仕舞いが怖くてなかなか出来ない事にチャレンジしています。屋上面のユニークなタイルパターンは上から見ないと見えませんが、こんな感じです。ちなみにこのパターンは、野菜やフルーツをイメージしています。設計開始が1997年、竣工が2005年でその期間は約8年!。その間、市場は閉鎖される訳ですから関係者は相当な忍耐が必要ですし。エンジニアリング的にもかなり野心的ですから、これだけ時間もかかったのでしょう。

サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。内部天井。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。裏口エントランス。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。裏口エントランス。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。裏口エントランス。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。裏口エントランス。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。裏口エントランス。

派手な形状ですが、ストラクチャブルな内観は新設した鉄骨をベースにしながらも既存のコンクリートフレームも利用しており、無理が無く破綻していません。スペインのローカル・アーキテクト(地場で活躍している建築家)の底力を見せつけた作品とも言えます。実際彼らはこの作品で、世界中からオファーが殺到する事になった訳ですからね。ちなみに上海万博のスペイン館は彼らの手に寄ります。比較すると解りますが、彼らのお作法(コンテキスト)を、このサンタ・カタリーナ市場とスペイン館で感じるはずです。

サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。併設のレストラン。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。併設のレストラン。13:00からオープン。


サンタ・カタリーナ市場 Mercado Santa Catarina。併設のバル。こちらはAMから営業している模様。

 丁度この市場に着いたのが昼食どきだったので、市場に併設されているバルに直行し、ビールとタパスを堪能しました(この時の食に関しては後で詳しく)。このバルとレストランは市場直営で、市場の食材を料理して振る舞うコンセプト。古今東西どこでもそうですが、新鮮なものをそのまま食べたいのは変わらない訳です。この二つの店舗は隣り合わせに併設されていて、レストランの方は午後からの営業とのことでした。 インテリアに関しても、市場のストラクチャーがそのまま生かされていて、明るく開放的。華美な装飾は皆無ですが、市場のバル&レストランですし、好感が持てます。強いて難点を言うのであれば、この市場にはトイレがありません(泣)。近くの店のトイレを借りているそう(笑)

サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。


サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。


サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。


サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。

市場の中は、場内市場的な展開になっていて、構造的には大屋根とファサード壁面と屋台がセパレートになっています。全般的に価格も安く、プロシュートなどの試食なんかもできます。午後の早い時間だったので客足は多くありませんでしたが、屋台の見せ方には賑わい感やシズル感があり、思わず立ち寄ってしまいます。基本的には日本と一緒で、魚屋、肉屋、チーズ屋、果物屋、八百屋、オリーブ関連食品など専門化されているのでわかり易いです。

サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。


サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。


サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。


サンタ・カタリーナ市場(Mercado Santa Catarina)場内市場。屋台が軒を連ねています。

このサンタ・カタリーナ市場を設計したミラーレスは、この市場の完成を見る事無く、2000年に45歳という若さで他界しています。その意思を継いだパートナーのベネデッタ・タリアブーエ(彼女はプライベートでもパートナーで奥さん)とスタッフが彼の意思を継ぎ、2005年に完成させています。この市場は、彼の出世作の一つであり、今後の活躍が期待されていたスペイン建築界の一人でしたから関係者の悲しみは大きかった事でしょう。ガウディ然り、ピカソ然り。スペインのアーティストは、志半ばで逝去してしまう事が多いのは、彼らの情熱が大き過ぎるからなのでしょうかね。。

サンタ・カタリーナ市場 Mercat de Santa Caterina

設計:エンリック・ミラーレス(Enric Miralles)、ベネデッタ・タリアブーエ(EMBT
ADD : Av. Francesc Cambó, 16
TEL : 933 195 740
URL:http://www.mercatsantacaterina.net/

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

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