カフェ ジオ ヴァ ヌオック ( Wind and Water Café )
カフェ ジオ ヴァ ヌオック ( Wind and Water Café )は、ホーチミンシティーの郊外ビンズンにあるカフェ・レストラン。2006年にベトナム人建築家 Vo trong nghia(ヴォ・チョン・ギア)に依って設計、建設されたものです。日本では、ギャラリー間で開催された建築展「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」で紹介され、バンブーのみで組上げられたフラジャイルで土着的な建築が注目を集めました。Wind and Water Café はオーナーチェンジ前の名称で、現在はジオ ヴァ ヌオックという店名で営業しています。
僕らはオフの日にガイドと車を手配していきましたが、 ホーチミンシティーから車で一時間ちょっと。現地のTVで紹介されて以来、この距離をバイクやスクーターで訪れる人も多いそうで、ちょっとしたデートスポットになっています。 元々、ここの土地オーナーから場所を借り受ける形で、ヴォ・チョン・ギアが計画を立案、建築家自らがオーナー兼デザイナーとして運営していたのですが、土地オーナーが建物を買い取る形で今に至ります。現在は、レストラン化する為にキッチンを増築して準備している最中でした。
水盤に面したウオーターガーデン側は、華奢でストラクチャブルなバンブーによって組上げられており、粗く、フラジャイルな印象を持ちます。実際、エントランス脇にあったドームは、崩れてしまって(笑)今は仮設のシートで覆われていて、バーカウンターのみの凝っている状態。この辺のおおらかさもベトナムらしくて良いなと思いました。笑 ちなみに在りしのバンブードームはこんな感じです → Wind and Water Bar by Vo Trong Nghia。水盤面が視線に近い所まで上げられているので、水辺に近く臨場感があり、また噴水などによって水そのものに動きがあるので自然の中に包まれている感じを受けます。
建築の精度が粗い事もあり、土着的で人工的な作為を受けないのかも知れません。完成して10年近く建つ事もあり、周辺のランドスケープは馴染んでいて、良い意味で朽ちている部分があり、この建築のポテンシャルを感じました。
Ho Chi Minh City 2016 Reported by Futoshi Hirasawa