今年も、TDWに行ってきました。
東京を代表するデザインのイベントで毎年10月下旬から始まる東京のデザインイベントの総本山、みたいな位置づけで開催されています。景況感に左右されやすいデザインイベントですが、今年も「FES -祭り-」をメインテーマにデザインアソシエーションNPOが主催。今年の特徴としては、アジア圏のクリエイターが出展するアジアアワード、オンライン・クリエイターズマーケットCreema(クリーマ)や東京事変のメンバー亀田誠治とのコラボレーション企画、放送作家の小山薫堂が発起人の市民主体型プロジェクト「東京スマートドライバー」のコミュニケーションデザインラボラトリー、日本最大級の料理人コンペティション・・・といったデザインにまつわる生業の全て「食・住・遊」の新企画を含む20以上のコンテンツを展開しています。まさに祭りですね。
中心と成っているのは、デザイナーのプロダクト展示、クリエイターと企業のコラボレーション企画、学生展示で、コンセプトを明解にする過程を見せたり、プロトタイプを提示したりと見所満載で、各所でユニークなワークショップも開かれました。年々子供連れの方が増えているのも納得。また、ドーム会場では著名アーティストのLIVEも開かれます。
個人的に良かったのはLEXUSのインスタレーション、プロダクトでは「マモリス」、学生展では「竃」、そしてスモーキングスペースでしょうか(笑)。 LEXUSは「車が一切登場しない」代わりに鉄骨のフレームに木材をつなぎ合わせた、空中を走り抜けるようなインスタレーションで、とてもエモーショナルな展示構成。上質感の印象を非常にスタティックに構成しています。 マモリスは椅子とヘルメットと一体化したユニークな椅子。ヘルメット部分はいつも座面の下に隠れていて、いざというときに被ると、背もたれ部分は首から背中をガードする優れものです。イスのパーツが防災機能を担うという便利かつユニークなデザイン。学校の椅子に採用して欲しいなと思いました。 学生展の「竃」も即席のキッチンをレンガブロックで積み上げる簡易的なものですが、その仕組みが簡単に誰でも出来るよう指南されていて、地産地消、そのサスティナブルな取り組みが評価できます。
今回、コンテンツが大幅に増えた事もあって、全体を見るには一日必要でしたが、僕らが行った時は天候もよくゆっくり見回る事が出来ました。年々多様化するデザインの役割が、そのまま明文化されたような今年のTDW。ユニークやウケ狙いばかりでなく(笑)、多様性に富んでいてとても面白かったです。