ヘルシンキ・デザインディストリクト
デザイン・ディストリクトは、クリエイティブなお店を全て同じエリアに集結させようというアイデアで、2005年に地元の人々が率先して始めたのがスタート。デザイン・フォーラムを中心に、ギャラリー、ファッション、レストランなどアート性に長けた店舗が軒を連ねるエリアで、現在では25の通り、200のお店やデザインスタジが点在します。具体的にはにはジュエリー工房、デザイン・アンティークのお店、ファッションのお店、博物館、アート・ギャラリー、レストラン、ホテル、ショールームなどがあり、「デザイン」をテーマに北欧ならではの切り口で発信しています。
デザイン・ディストリクトの中心はディアナプイスト公園です。ここからカールティンカウプンキ地区、カンッピ地区、プナブオリ地区、ウッランリンナ地区のエリアまで広がっています。自然発生的な運動とはいえ、ヘルシンキの中心地にこのようなエリアが出来、政府が後押しし助成しながら育んでいるのは、ヘルシンキの観光資源が限られているからです。限られた観光資源を最大限に活用する姿勢が、政府支援のヘルシンキガイドの解説にも現れています。
ヘルシンキのデザインディストリクトは、活気あるクリエイティビティの中心で、ヘルシンキの街のまさに中心にあります。フィンランドの首都では、偶然でも意図的でも至る所でデザインの歓迎を受けます。デザインディストリクトは、プナヴオリ、カールティンカウプンキ、クルーヌハカ、カンッピ、ウッランリンナなどのダウンタウンのいくつかの地区に広がり、デザインディストリクトを訪れることで街の探索も楽しめます。
デザインディストリクトは、ヘルシンキの一番美しい地区を含んでいます。石畳の通りにユーゲント様式の建物が並び、多くの若いクリエイティブたちが拠点としています。最近のトレンドは、オープンスタジオ。アーティストやローカルに会うこともできます。作業場がそのままショップやギャラリー、カフェになっていて、お店を見ながらコーヒーやワインが楽しめるところもあります。割とこの辺の流れは、カチクラ(御徒町ー蔵前)に点在するショップ、職人、デザイナーの流れに似ていて親近感が湧きますね。
ただヘルシンキが進んでいるのは、街の中心地にこのようなディストリクトがあること。普通、クリエイティブなディストリクトは、ニューヨークでもロンドンでもミラノでもバルセロナでも東京も例外ではないですが、中心地ではなく地価が落ち着いたエリア‥大抵は中心地よりやや外れに点在するのが常です。街の規模がコンパクトなことも起因しているのかもしれませんが、とても羨ましく感じました。
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