デザイン旅行

Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

Da nang / Hoi An 2016 Vol.01|Naman Retreat ナマン・リトリート

レジデンス棟の専用プール。

アパートメント棟のアプローチ

アパートメント棟の廊下

アパートメント棟宿泊者用のプール。誰でも使用できます。

ナマンリトリートのコンベンション棟

ホイアンのPhuoc Kien Assembly Hall _ 福建会館の中庭

ダナンの中心部

ナマンリトリートのレセプション棟にて

ナマンリトリートのレセプション棟からコンベンション棟を眺める

ナマンリトリートのレセプション棟の外壁のレリーフ

ナマンリトリートのアパートメント棟。階段のレリーフ

ナマンリトリート。アパートメント棟前のプール。

ナマンリトリート。レジデンス棟の脇道でガーデンの手入れをするスタッフ。

ナマンリトリート。アパートメント棟前のプール。

ナマンリトリート、ハイハイレストラン前の水盤。奥の東シナ海と連なっていて、海が目の前まで迫っているような錯覚をします

ナマンリトリート。ハイハイレストランのバンブーコラム。鉄骨柱を取り囲むようにバンブーのテーパーコラムが森のように林立しています。

ナマンリトリート。ハイハイレストランアネックス。水盤の上に浮かぶように建っています。

ナマンリトリート。ハイハイレストランアネックス。水盤の上に浮かぶように建っています。

ナマンリトリート、ハイハイレストラン前の水盤。奥の東シナ海と連なっていて、海が目の前まで迫っているような錯覚をします

ナマンリトリート。ハイハイレストランのバンブーコラム。鉄骨柱を取り囲むようにバンブーのテーパーコラムが森のように林立しています。

ナマンリトリート。ハイハイレストランの天蓋部。

ナマンリトリート。ハイハイレストランの外観。

アパートメント棟の部屋。ヨーロッパからの観光客は安価なこのタイプの部屋を選んでいることが多かったようです

アパートメント棟のバルコニーから見たプール

レジデンス棟の部屋のインテリア

2016年の定例研修先は、ベトナム中部のダナン、ホイアン。

例年に引き続き、海外の都市に赴き”インプットしながら感じ取ってくる”事と”共有知を高める”為におこなっているDesigncafeの研修旅行。それは写真やインターネットの情報で解ったつもりでも、スケール感やボリューム感、空気感、香りなど、五感を働かせて体感しないと理解出来ない事が事が多いからです。今回のテーマは「リゾート考察」。とは言ってもただプールや海に入って佇むだけでは能がないので(笑)、アジアのリゾートで、今年視察で訪れたホーチミンシティの延長線上にある場所をということで、開発の盛んなダナンホイアンとし、宿もベトナム建築界の若き第一人者であるボーチョン・ギア(Vo Trong Nghia)が設計を担当した、ナマン・リトリート(Naman Retreat)を選びました。

ナマンリトリートのコンベンション棟


ダナンの中心部

ダナンはベトナム中部の港町で要衝として知られ、ベトナム戦争時は激戦地として多数の犠牲者を出したことで知られています。成田からベトナムエアーで約5時間。昨年、直行便が就航し利便性が向上しました。そういう事情もありますが、日本のディベロッパーが開発しているリゾートも散見し、活気があります。北回帰線上の街なので、9月過ぎまでとても暑いですが、海は綺麗で海産物も楽しめる街です。

ホイアンのPhuoc Kien Assembly Hall _ 福建会館の中庭

ホイアンは、ダナンからタクシーで南へ30分。トゥボン川の河口に位置する古い港町で、かつてヨーロッパ人はファイフォ 、フェイフォ(Faifo) と呼んでいました。中国人街を中心に古い建築が残り、1999年に「ホイアンの古い町並み」としてユネスコの世界文化遺産に登録されています。いわゆるベトナムの田舎町の風情を残している典型的な酪農都市ですが、日本との交易を行なっていた歴史があり、その史跡が散見できます。

また、このエリアはベトナムで最も美味しい料理が楽しめるエリアとして、ベトナム人の中では名が通っており、海産物からフォーやLAP&ROLLなどの家庭料理も楽しみにしていました。 

ナマン・リトリート(Naman Retreat)

ダナン行きの飛行機が遅れ、ナマン・リトリートに到着したのが22時過ぎ。エントランスゲートからレセプション棟に案内され入館手続きし、その後カートに乗せられて部屋に向かいます。広大な敷地を有するナマンはほそい路地をカートで移動するようにできていて楽しいです。今回僕らは5人でしたが、アパートメントとレジデンスに分かれて宿泊しました。いわゆる、最近のリゾートスタイル(レジデンシャル)を踏襲していますが、より低廉な価格で宿泊できるアパートメントもあり、欧米からのバジェットラインの旅行者にも配慮されていて、好感が持てます。

ナマンリトリート、ハイハイレストラン前の水盤。奥の東シナ海と連なっていて、海が目の前まで迫っているような錯覚をします


ナマンリトリートのレセプション棟にて


ナマンリトリートのレセプション棟の外壁のレリーフ


ナマンリトリートのレセプション棟からコンベンション棟を眺める


ナマンリトリート。レジデンス棟の脇道でガーデンの手入れをするスタッフ。


ナマンリトリートのアパートメント棟。階段のレリーフ


ナマンリトリート。アパートメント棟前のプール。


ナマンリトリート。アパートメント棟前のプール。

このナマン・リトリートをデザインしたのは、東大出身のベトナム建築家、ヴォ・チョン・ギア氏。http://votrongnghia.com

ギャラリー間での展覧会「アジアの日常から:変容する世界での可能性を求めて」を見て以来、2月のホーチミン視察で見学したジオヴァノックなど、竹を使ったフラジャイルな建築が得意な建築家で、その意欲作がこのナマン・リトリートです。 

ナマンリトリート。ハイハイレストランのバンブーコラム。鉄骨柱を取り囲むようにバンブーのテーパーコラムが森のように林立しています。


ナマンリトリート。ハイハイレストランのバンブーコラム。鉄骨柱を取り囲むようにバンブーのテーパーコラムが森のように林立しています。


ナマンリトリート。ハイハイレストランの天蓋部。


ナマンリトリート。ハイハイレストランアネックス。水盤の上に浮かぶように建っています。


ナマンリトリート。ハイハイレストランアネックス。水盤の上に浮かぶように建っています。


ナマンリトリート、ハイハイレストラン前の水盤。奥の東シナ海と連なっていて、海が目の前まで迫っているような錯覚をします


ナマンリトリート。ハイハイレストランの外観。

このホテルの宿泊者が最も利用するハイハイレストランは、竹を中心としたフラジャイルで土着的な造形美の建築でベトナムらしい設えになっています。この建築は、東シナ海を背景に朝と夜で表情を変え、幻想的な表情を持ちますが、竹をレイヤー状に重ね造形感を生み出すテクニックには脱帽です。

アパートメント棟の部屋。ヨーロッパからの観光客は安価なこのタイプの部屋を選んでいることが多かったようです


アパートメント棟のバルコニーから見たプール


アパートメント棟のアプローチ


アパートメント棟の廊下

 

レジデンス棟の部屋のインテリア


レジデンス棟の専用プール。

 

Da nang / Hoi An 2016 Reported by Futoshi Hirasawa 

Seoul 2016 Vol.02|三清洞・北村韓屋村・YIDO

今回の視察の目的地の一つ、三清洞(サムチョンドン)と北村(プッチョン)の韓屋村へ。 安国駅から徒歩五分。昔ながらの韓屋(ハノッ)をリノベーションしたレストランやカフェ、ショップが集まっており、近くには狭い路地に韓屋がぎっしりと並ぶ「北村韓屋マウル」があります。日本でもそうですが、昔のお金持ちは大抵高台に居を構えます。韓国でも然りで、この三清洞の韓屋は比較的裕福な家の家屋の集合で、凝った設えの家が軒を連ねます。

地下鉄3号線安国(アングッ)駅


三清洞の植樹。季節柄、夏紅葉などが点在し、街に彩りを与えます。


三清洞の典型的な路地


三清洞の鬼瓦と外壁のパターン


三清洞のショップサイン


三清洞の典型的な韓屋。重厚な外壁と門で構成されている。


三清洞、北村の典型的な路地


三清洞、北村の韓屋の外壁パターン


三清洞、北村の韓屋の路地と外壁パターン


三清洞の伝統的な家屋


三清洞、北村の路地


三清洞、北村の韓屋の外壁パターン。レンガ造は比較的近世(明治時代くらい)に建てられた韓屋。


三清洞、北村の韓屋の外壁パターン。最近のもの。


三清洞、北村の韓屋の門づくり。最近のもの。


三清洞の鬼瓦と外壁のパターン

 個人的に韓国・ソウルへは、仕事と視察で何度か訪れているものの、三清洞や北村へ脚を運ぶのは、これが初めて。14年前の視察時は、水原にある民俗村へ行き、韓国の建築の様式や素材などを見てきました。こちらの方が伝統的な韓屋の造りが、両班や農民の家と行った具合にカテゴライズされてわかり易いからです。また、民俗村の場合、サムルノリの様な伝統舞踊(音楽)や馬上武芸のような芸事も見学出来ます。三清洞や北村の韓屋の場合、時代背景が異なる家屋が街として連なっている事がポイントで、時代背景が異なっていても、外敵からの侵入を防ぐ為に重厚な外壁と門を構える造りはほぼ一緒と言った感じの特徴が見て取れます。

比較的最近建てた住宅と路地の関係。風致規制故か建築のトーンが揃っていろ


三清洞、北村の韓屋の外壁パターン


三清洞、北村の韓屋の外壁に書かれたハングル・サイン


三清洞、北村の韓屋の典型的な門構え


三清洞、北村の韓屋の典型的な門構え


三清洞、北村の韓屋の典型的な路地

民俗村を見学した時は、余り感じなかったことですが、三清洞、北村の典型的なの韓屋は押し並べて軒が低く、建物のボリュームを感じさせない造りになっています。韓国の伝統的な住宅建築は、重層にしないイメージがあり(この辺の理由はちょっと調べてみないと解りませんが)路地との関係性なのか、単に狭い土地に対して陽の光を取り入れる工夫からなのか、興味がわきました。

青磁や白磁をベースに作陶する女性作家イ・ユンシンのショップギャラリーyido。


yidoの店内。ソウルで気になるレストランの器は、この人が手がけているものが多い


yidoの作品。ソウルで気になるレストランの器は、ここで手がけているものが多い

北村韓屋村には、韓屋をリノベーションしたショップが数多くありますが、伝統的な所作を取り入れた器や陶器を扱うショップ&ギャラリーも点在します。今回の視察は器やレストランでの持て成し方もチェックする目的があったので、ソウルの有名レストラン御用達の作陶家イ・ユンシンさんのギャラリーyido(イド)にも立ち寄りました。青磁や白磁と言った韓国の伝統的な作陶技法をモダンに解釈し、使いやすい器に仕立てているのが特徴です。印象的なのは、釉薬の色彩。青磁の青でも釉薬を繊細に扱っていてシンプルな形故に印象に残りました。

食器は、その国の食生活と密接に関わっています。韓国の作法の場合、器を手に取って食べる事はNGで、箸で摘んだり、スプーンよそって食事を取ります。なので器は原則、膳の上に載せっぱなし。また、大勢でシェアする主菜やメインデッシュと御飯、副食などの個々に配食するものを明確に分けていて、陶器でも蓋をつけたり(保温)と日本とは異なる特徴があります。yidoの器もその辺を考えられて創られており、現代ならではの作陶でモダンにつくられています。後述の茶啖 (タダム) モダンコリアンキュイジーヌでは、メニューの内容に即したカタチで提供されていてとても印象に残りました。

 

SEOUL  2016 Reported by Futoshi Hirasawa

Photo / Text : HIRASAWA FUTOSHI 
Camera : Fujifilm X-Pro1 & X-T10 
Lens : Fujifilm XF14mmF2,8 & XF18mmF2 & XF35mmF1,4
Photo retouch : VSCO & Lightroom