東京都庭園美術館リニューアル記念・アーキテクツ1933

東京都庭園美術館。エントランスまでの植樹。FUJIFILM X-M1+XF18mm F2 Velvia

東京都庭園美術館。エントランスまでの植樹。FUJIFILM X-M1+XF18mm F2 Velvia

東京都庭園美術館がリニューアルオープン。

昨年末に開催していた「東京都庭園美術館リニューアル記念・アーキテクツ1933」の展覧会。公開記念展示は終わってしまったのですが、素晴らしい周辺環境と見事な調度品、そして3年の歳月を掛けて修復された建物とインテリアによって往時の様子が再現された素晴らしい記念展でした。東京都庭園美術館は、本館と新館に分かれていて、いわゆる美術館としての機能は本館裏側にある新館に集約されていて、本館は年に数回一般公開されるのみとなっています。本館そのものが都の文化財に指定されているからです。

東京都庭園美術館(とうきょうとていえんびじゅつかん)は、東京都港区白金台にある都立美術館である。旧朝香宮邸(きゅうあさかのみやてい)とも呼ばれる。2011年より改修工事のため長期休館中であった[1]が、2014年11月22日よりリニューアル開館している[2]。 -省略 - 朝香宮家由来の建物と家具や内部装飾そのものが芸術品であるため、「美術館」と銘打ってはいるものの所蔵品による常設展示はない。企画展示が年に5 – 6回行われている。また、年に1度の「建物公開」のときは、館内撮影も可能(日時・期間は年によって変動)。 wikipediaより

東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)本館。全景。

 

既述の通り、この建物と敷地は、香淳皇后の叔父である朝香宮鳩彦王の邸宅「旧朝香宮邸」で1947年の皇籍離脱まで暮らした場所です。鉄筋コンクリート造2階建て(一部3階建て)、地下1階で1929年(昭和4年)頃から建築準備に取り掛かり1933年(昭和8年)5月に完成しています。外観はネオクラシカルの様式の影響も垣間みれるものの、極めてシンプル。逆に内装は当時一世を風靡していたアールデコ様式の瀟洒なインテリアで東京都の有形文化財に指定されています。 建築設計は宮内省内匠寮(担当技師は権藤要吉)、主要な室の内装基本設計はフランスのインテリアデザイナー、アンリ・ラパンが担当しています。また正面玄関にある女神像のガラスレリーフや大客室のシャンデリアなどはフランスの宝飾デザイナーでガラス工芸家でもあったルネ・ラリックが担当。内外のギャップを見ても、宮様の関心がインテリアに向いていた事が良くわかります。(もしくは・・ちょっと穿った見方かもしれませんが、廻りの皇族方の目を気にして外観を質素にしたのかもしれません。)

 素晴らしい、敷地と設え。

東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)本館。全景。

左の写真は、東京都庭園美術館本館。玄関にあるルネ・ラリック作のガラスレリーフ。FUJIFILM X-M1+XF18mm F2 Velviaにて撮影。実は、見学した日が日曜日と言う事で内部の写真撮影禁止(!)。混雑するのが理由の様で残念でしたが、復元する日本の職方の奮闘ぶりがビデオで各所に流されていて、大変な手間隙掛けて再現している様子が垣間みれるようになっていました。特にラジエーターのスチールグリルの復刻は素晴らしく思わず見入ってしまいました。モダンで格式の高い、重厚な造りで贅を尽くしたと言うよりも、宮様らしい来賓を持て成す空間の間合いやセンスの良さを感じる素晴らしいインテリアデザインでした。内部の写真は特設サイトで詳しく見られますのでこちらもぜひ。

人気ブログランキングに参加しています。お時間ある方は、ぜひ。