今日で閉幕する、Tokyo Motor Show 2011。一昨日、事務所のメンバーで観に行ってきました。震災後という状況ながらも、海外勢(イタリアを除くヨーロッパメーカー)が復帰した事もあり、前回よりも賑わいを感じました。 日本最大の展示会で、世界五大モーターショーに数えられるTokyo Motor Showは、空間デザインやエキシビションデザインに関わる人にとっても、重要な場です。以下wikipediaからの引用ですが・・
国内メーカーのワールドプレミア(市販車やコンセプトカーの世界初公開)の場として利用され、海外メーカーもチューンドカーなどのモデルバリエーションのワールドプレミアを行うことがある。なお、大韓民国や中華民国の企業はOEMを得意とする産業構造から完成車メーカーが少なく、出展する企業が少ないのが現状である。展示内容は、娯楽性重視から「環境」や「安全技術」などの社会的ニーズに対する解決案の提案が増加傾向にある。第42回では、主催者テーマ事業として「SMART MOBILITY CITY 2011」と名付けたスペースが設けられ、エネルギー、通信、住宅関連企業が初めて出展した。また、同乗試乗会やシンポジウム、モーターサイクルスポーツスクールなど、参加体験型というコンセプトのもとで、見せるモーターショーから参加するモーターショーへと変化しつつある
そんな中で、友人でもある方山裕一さんがデザインを手がけたNISSANブースをまず見学。
パースペクティブの効いた、二つの中空造形がオーバーレイする、とても繊細なデザイン。方山さんが手がけるTokyo Motor ShowのNISSANブースは、2009年に続き二度目ですが、日産自動車のグローバルモーターショーを手がけている事もあって、世界戦略の中のNISSANのタッチポイントをどう表現するか?重責の掛かる仕事な訳です。NISSANに限らず、このくらいのサイズ(約600坪)になってくると、4年間の世界中のモーターショーの出展に耐えうる(展開出来る)ブースデザイン&コンセプト、プランニングワークと、演出やディスプレイ面での高度なスキルが必要になってきます。
3年前からデザインは一新しましたが、デザインコードである「NISSAN Air Sequence」を踏襲しつつ、地球の皮膜である大気のレイヤーを表現した中空造形は、ブルーのLEDで照射されて儚い美しさが表現されています。この辺のデザインのスキルって言うのかな?派手さは無いのだけど、導線方向からの見栄だけでなく、入って演出越しに見えるモニターの画角とか緻密に計算されています。こういう所の抜け目の無さが凄いと思う。3Dメッシュ中空造形の見栄・・面に対しての視覚照度も計算されているし、オーバーレイもよく考えられている。玄人受けするデザインです。
やっぱり、どのブースもレベルが高い訳です。
そしてもう一つ楽しみにしていた、AUDI。
シュミット・フーバーさんが手がけた、曲線の美しいブースに仕立てられていました。AUDIに限らず、今年のモーターショーはドイツ勢が復帰したこともあって、前回よりは盛り上がりのあった会場でしたが、そのドイツ勢の中でもAUDIは群を抜いて良かった。ファッションショー仕立ての構成も楽しかったし、女性の購買客が多いAUDIにあって、この内容は脱帽。素晴らしかったです。 今回のAUDIは、ブースサイズが前々回より抑えれていたのに、非常に巧妙にプランニングされていました。
昨今の自動車業界はPHV(プラグインハイブリット)やEV(電気自動車)など、環境性能の高い技術見せ合いと言った感じが否めませんが、西ホールで展開していたスマートシティー(スマートグリッドなどによる電力の有効利用に加え、熱や未利用エネルギーも含めたエネルギーの「面的利用」や、地域の交通システム、市民のライフスタイルの変革などを複合的に組み合わせた、エリア単位での次世代エネルギー・社会システムの概念)は、日本ならではだし、これを自動車メーカーのみならず、建材メーカーや都市交通システムの主立ったメーカーが参画していたのは、とても意味がある事だと思いました。例年になく、日本ならではの特色を強く打ち出したTokyo Motor Show 2011。次回もこの調子で日本の車をアピールして欲しいです。