雲門舞集の本拠地、雲門劇場 Cloud Gate Theater
台湾二日目は、午前中から新北市の淡水エリアにある雲門劇場 “Cloud Gate Theater”へ。2015年4月に開幕した林懐民氏率いる“雲門舞集”は、コンテンポラリーダンスカンパニーで一年の半年以上を海外で公演し、世界で絶賛され続けている台湾の舞踊芸術集団。雲門舞集の本拠地がここ雲門劇場 “Cloud Gate Theater”です。建築の設計は、田中央聯合建築師事務所(フィールドオフィスアーキテクト)。主宰している黃聲遠は宜蘭出身で、宜蘭近郊のパブリックアーキテクチャーを主に手がけ、コンバージョン&セルフビルド(住民参加型)で手がけることで脚光を集めています。その彼が、宜蘭以外で初めて手がけた建築が雲門劇場 “Cloud Gate Theater”です。雲門劇場とその敷地内にある小籠包のレストラン「花語」も手がけています。
この雲門劇場 -Cloud Gate Theater-は、2008年に焼失してしまった雲門舞集の練習場(その痕跡として焼け残ったコンテナが敷地内に記憶として展示されています)に変わる稽古場兼劇場として、土地を新北市が寄贈し、建物は一般市民や後援者の寄付によって賄われ再建しています。写真を撮り損ねましたが寄付者全員の名前が入ったヒノキのレリーフが館内に飾ってあります。雲門舞集の存在そのものが愛されているんですね。
建築的には増築で元々あった中央廣播電台(ラジオ局)を残し、その上に被せる様に建っています。淡水の長閑な風景に溶け込む様な荒々しくも、どこか清廉な印象がありそれは環境だけでなく「舞踏」と関係しているかもしれません。ディティールも破綻が少なく(わざとでしょうけど)、台湾の厳しい猛暑にも配慮されています。屋根の雰囲気から、エンリック・ミラーレスの設計事務所EMBTが手がけたバルセロナのサンタ・カタリーナ市場を思い出しました。
今回の研修旅行では宜蘭の田中央聯合建築師事務所が手がけた一連の建築を見学するプログラムを組んでいたのですが、直前に発生した台北 – 宜蘭行き列車の脱線事故で断念。結局この雲門劇場のみとなってしまいましたが、コンバージョンの手法がユニークで力強さがあり、見学して本当に良かったです。
雲門劇場 – Cloud Gate Theater –
住所 新北市淡水区中正路一段6巷36号
住所(中国語) 新北市淡水區中正路一段6巷36號
電話番号 (02) 2629-8558
営業時間 公演はプログラムにより異なる。ギャラリーは(火~日)10:00-17:00
休業日 年中無休
クレジットカード 可
駐車場 有り
http://www.cloudgate.org.tw
淡水站、淡水老街、漁人碼頭の風景
淡水へは、台北市内から地下鉄で45分ほど。淡水は風光明媚な土地として知られ台湾八景の一つ「東方のベニス」と称されています。現在でも淡水河の落日は台北地区を代表する風景です。このエリアを廻るのに、いつもならタクシーのところレンタサイクルとグーグルマップで(笑)街の雰囲気を楽しみながら巡りました。
漁人碼頭は、漁師の街であり風光明媚な景観を求めてリゾートマンションの開発も盛んです。淡水駅から雲門劇場〜漁人碼頭〜淡水老街〜淡水駅に戻るまで、昼食を入れて6時間。レンタサイクルで巡るのは研修旅行でも初めてでしたが、こういう街巡りもいいものです。
臺北、淡水、臺中 2018 Reported by Futoshi Hirasawa
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