グリッドとヴォイドで構成された高層部と植物のアルゴリズムから構造を導いた図書館。
台湾4日目は、台中国家歌劇院に引き続き伊東豊雄さんの建築「國立臺灣大學社會科學院 COSS、辜振甫記念図書館」へ。国立台湾大学は、日本の植民地時代の旧帝国大学が前身で、戦後接収されそのまま大学として使われていますが、2005年に施設の老朽化や諸事情の中、社会学部棟+キャンパスとしてオープンした建築です。この施設は、台湾の財界人の重鎮、辜振甫氏を筆頭に200人以上の卒業生からの寄付で建設されました。
国立台湾大学のキャンバス。広大な敷地にヤシの植栽が規則正しく植栽されていて気持ちの良い環境です
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館の全景。奥側の高層部が社会学部棟、手前の低層の建築が辜振甫記念図書館。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館を敷地左側から。シンボルとなる図書館棟は、植物の成長アルゴリズムから導いたデザイン。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館を敷地右側から。植物のアルゴリズムはフラクタルな形状ではなく不規則で動的なデザイン。
辜振甫記念図書館から前庭を眺める。
国立台湾大学社会学部棟(左)とキャンバス。グリッドとボイドで規則正しい印象で図書館棟とは対照的。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。鉄筋コンクリートの屋根部のディティールが超絶的。外部から眺める。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館の全景。奥側の高層部が社会学部棟、手前の低層の建築が辜振甫記念図書館。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。学部棟の1Fは職員室とラウンジ、学習室で構成されています。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。鉄筋コンクリートの屋根部のディティールが超絶的。不規則な形状はアルゴリズムから。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架をはじめとした家具デザインは藤江和子さんの手によるもの。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架は二種類の高さで構成され、外光に面した部分に自習用のデスクが並んでいます。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架を含めたレイアウトはスパイラル状に計画され、植物のアルゴリズムから導かれた柱脚と織りなすように並んでいます。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。照明はつり下げ式の間接照明でアンビエントな印象の照明計画。違和感がありません。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架はバンブーの集成材で作られています。なかなか贅沢。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。レイアウトはスパイラル状に計画されているのがよくわかる一枚。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架を含めたレイアウトはスパイラル状に計画され、植物のアルゴリズムから導かれた柱脚と織りなすように並んでいます。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。スパイラル状に計画された書架、植物のアルゴリズムから導かれた不規則な柱脚の関係性に圧倒されます。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。社会学部棟から入場するとこんな感じに見えてきます。
国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。窓辺の自習スペース。目的に合わせて椅子やチェア、スツールが配置されていて開放的な雰囲気にマッチしています。
国立台湾大学のキャンバス。よく手入れの行き届いたガーデン。
国立台湾大学のキャンバス。広大な敷地にヤシの植栽が規則正しく植栽されていて気持ちの良い環境です
国立台湾大学社会学部棟は、グリッドで規則正しい印象でヴォイドで中空フロアーを作ることでコミュニティーと学部内の人の導線をうまくコントロールしていて、非常に機能的。辜振甫記念図書館はこの施設のシンボルとなるべく、植物(ハスかな?)のアルゴリズムから導き出した構造(スパイラルと逆スパイラル)で規則性がありそうでない、ハスが自生しているような感覚を覚える建築です。雨水を還流させ、床下に流し込むことで得られる輻射冷房を採用しているそうで、見た目以上に先進的。アンビエントとタスクを使い分けた照明計画といい、スパイラルでいかにも使いやすそうな書架と言い、デザインと機能のバランスが素晴らしい建築でした。
キャンバス内は一部のセキュアゾーンを除くと自由に出入りができ、辜振甫記念図書館はパスポートの提示をすれば15分間の見学と写真撮影が許されます。台湾に建築を観に行く人たちにとっては台中国家歌劇院と並んで見学マストな建築です。
台湾大学社会科学部棟
辜振甫先生紀念圖書館
住所:台北市大安區羅斯福路四段一號
図書館開放時間:月~金8:20~21:00、土9:00~17:00、日休み
臺北、淡水、臺中 2018 Reported by Futoshi Hirasawa
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