シンガポール

Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

Singapore 2013 Vol.7 オーチャードロード

シンガポール研修の最後は、オーチャードロードです。
とは言っても、食事して散策しただけなのですが w 美味しいローカルフードのお店は無いかと色々探して決めたのが「Straits Kitchen ストレイツキッチン」です。グランド・ハイアットホテルの1階にある、ビュッフェ形式のレストラン。

多民族国家シンガポールのルーツとなる各民族の建築様式を再編集してモダンに設えたインテリアデザインで、デザインは日本の「スーパーポテト」が担当。スーパーポテトのインテリアデザインでローカルフードを楽しむことができます。素晴らしい!オープンキッチンには中華、マレー、インド、シンガポールの名物料理が並び、チキンライス、ラクサ、ナシゴレン、ロティプラタ、ダールカレーなどを好きなだけ選べます。エッグタルトや亀ゼリーなどのローカルデザートも充実していて、実際に来ていた方達も多種多彩。それはそうでしょうね。ハイセンスで色々な国の料理がビュッフェスタイルで食事が出来るお店って、シンガポールでもここぐらいしか無いと思いますし。ちなみにお値段は、飲み物込みで一人60S$.(約4500円)くらい。ローカルフードのビュッフェで考えると妥当な価格感。東京で飲み食いする事と比較してもリーズナブルです。クオリティーも高いしお薦め!

オーチャードロードは、時間もなかったので散策しただけですが、東京でいう所の銀座・有楽町みたいな感じの界隈なので、人出がとても多いです。土曜日の夜だったので余計かもしれませんが。個人的に街を観察するのが好きなので、歩いていても飽きなかったですが、その中で面白かったのがマクドナルドのスタンド。露天形式で展開で出しているマクドナルドを初めて見ました w

今回のシンガポールの研修は、前回の上海に比べても、割とまじめに(?)事前に調べていた所を見て回ったのですが、写真やインターネットで観るよりも印象が異なったり、スケール感が異なったりと体感しないと解らない事が多かったです。ただ、想像していた以上にスケール感があって良くある「思ったより小さくて残念」みたいな事は殆どありませんでした。 バーチカルグリーンも徹底していましたし。

そんな感じのシンガポール、個人的にはとても楽しめました。来年の行き先も大凡決めていますが、メンバー全員で良い体験が出来ると良いなって思っています。

文:平澤太、撮影:平澤太・佐久間理恵

Singapore 2013 Reported by Futoshi Hirasawa
Singapore 2013 Vol.1 マーリーナベイ・サンズ
Singapore 2013 Vol.2 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
Singapore 2013 Vol.3 サザンリッジス
Singapore 2013 Vol.4 VIVO CITY
Singapore 2013 Vol.5 ピナクル@ダクストン
Singapore 2013 Vol.6 ボート・キー&チャイナタウン
Singapore 2013 Vol.7 オーチャードロード

Singapore 2013 Vol.6 ボート・キー&チャイナタウン

ボート・キー(Boat Quay)は、ラッフルズプレイスの程近くにある波止場の名残で、現在はレストランやバーなどの一大スポットになっています。キー quayとは波止場の意味。シンガポール独立当初のボート・キーは、不法滞留者のジャンク船が並び、不衛生で随分と荒んでいた様ですが、独立後の護岸整備と拡幅で今の景観が完成し至ります。その後、昔からあった周辺の建物をリノベーションしたレストランやバーが出現し、対岸のエンプレス・プレイスのコロニアル建築群のナイトビューの効果と相まって、人気のエリアになった訳です。

中心部のニュー・ブリッジ・ロード、サウス・ブリッジ・ロード周辺が伝統的にチャイナタウンと呼ばれており、マリーナ・ベイからも近い位置にあります。Vol.5で既出のピナクル@ダクストンもこの近く。(マレーシアの華僑政権が分離独立したいきさつもあり、国全体がチャイナタウンとも言えますが。笑)シンガポールのチャイナタウンは、ロケーションも利便性も他の民族と比べて便利です。コロニアル風の住居が軒を連ねていますが、中は1階にお店、二階に住まいとなっていて中国の様式を色濃く影響された造りになっています。

チャイナタウンのお楽しみはなんと行っても食事。 男女問わず忙しく働いている人が多いシンガポールの人々は、外食が中心。ホーカーズが充実していて、格安で食事が出来ます。こういうローカルフードに舌鼓を打つのが海外のチャイナタウンの楽しみの一つですね。

文:平澤太、撮影:平澤太・佐久間理恵

Singapore 2013 Reported by Futoshi Hirasawa
Singapore 2013 Vol.1 マーリーナベイ・サンズ
Singapore 2013 Vol.2 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
Singapore 2013 Vol.3 サザンリッジス
Singapore 2013 Vol.4 VIVO CITY
Singapore 2013 Vol.5 ピナクル@ダクストン
Singapore 2013 Vol.6 ボート・キー&チャイナタウン
Singapore 2013 Vol.7 オーチャードロード

 

Singapore 2013 Vol.5 ピナクル@ダクストン

シンガポールでは、ホームオーナーシップ制度という「国民に自分の家を持たせる」事を国策として進めていますが、国民の82%が住宅開発局(HDB)の供給するアパートメントに居住しています。そしてその結果、国民の93%が自分の持ち家を持つまでに至っています。 この中心的な役割を担っているのがHDBの手がけるアパート郡で、この最新事例の一つがピナクル@ダクストン(Pinnacle@Duxton)です。マスタープランと基本設計は国際コンペで選出されたシンガポールの若手建築設計事務所 ARC-Studio Architecture

ピナクル@ダクストンは、チャイナタウンのほど近くのアクセス抜群のエリアにあって、マリーナベイからも車で5分程度。50階建てのタワーが26階と50階のデッキで繋がっているユニークな構造です。26階のスカイブリッジと屋上のスカイガーデンは住民は自由に出入りでき、外来者は一日200名限定で入場できるようになっています。これだけの高さを誇る公共住宅はシンガポールでもまだ少ないようですが、高密度の住環境をいかに快適に住う為に沢山のアイデアがちりばめられていて、シンガポールのお家芸でもある屋上庭園(スカイガーデン)はもちろん、多棟展開に拠って景観をリズミカルにし、自然換気と自然光の効率を高める事で高湿の環境下でも快適に過ごせるように配慮されています。26階のスカイブリッジにはジョギングトラックまで敷設されている充実ぶりです。笑

近年のHDBの手がけるアパートメントは、多様を極めていて幾つものブロックプラン(間取り)を丁寧に検討し、そのブロックプランの組み合わせを建築設計と環境設計にフィードバックさせています。元々が移民の国で、コラボレーションに長けたシンガポールの人々ならではの発想です。このピナクル@ダクストンは最新事例のHDBですが、造りは至って質素で華美な高級感とかは皆無。政府が主導しているプロジェクトですから、主観は「多民族で移民」の人々が「快適に暮らせる」事の一本に集約されています。多様な価値感を受け入れつつ、自分の家を持つ事で好ましい職業倫理が形成され、建物や自分たちの住む界隈を大切に思う気持ちが芽生えるように配慮されているわけです。

倫理観の醸成を第一に置き、法体系とフィナンシャル制度を確立し、結婚すれば賃貸よりも簡単に自分の持ち家が持てる仕組み。そしてそのアパートは世界中の知見を集めつつ、HDBの高密度住宅のノウハウを集約して設計する訳ですから、建築的にも魅力のある景観が生み出されます。高密度な集合住宅では「周辺のコミュニティの醸成」も大切ですが、その前に「個の倫理観の醸成」の方が多民族国家では重要なのでしょうね。

文:平澤太、撮影:平澤太・佐久間理恵

Singapore 2013 Reported by Futoshi Hirasawa
Singapore 2013 Vol.1 マーリーナベイ・サンズ
Singapore 2013 Vol.2 ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
Singapore 2013 Vol.3 サザンリッジス
Singapore 2013 Vol.4 VIVO CITY
Singapore 2013 Vol.5 ピナクル@ダクストン
Singapore 2013 Vol.6 ボート・キー&チャイナタウン
Singapore 2013 Vol.7 オーチャードロード