ヘルシンキ中央駅
ヘルシンキ中央駅は、フィンランドの鉄道VRや地下鉄、トラムの駅、バスターミナルなどが集まり、ヘルシンキの交通の玄関口として、一日に約20万人もの人々がこの駅を利用されているフィンランドで最も利用客のある建物の1つです。
1860年に開業。初代駅舎の設計はスウェーデン人のカール・A・エデルフェルトの手によって完成しました。後年徐々に手狭になっていき、1904年に新駅舎のデザイン・コンペが行われ、エリエル・サーリネン(エーロ・サーリネンのお父様)の新駅舎案が採用されます。サーリネンの駅舎案はナショナル・ロマニティズムと呼ばれるフィンランドのナショナル・ロマンティシズムを前面に出したデザインで、当時から見てもかなり古典的な様相から批判が殺到したようです。
この当時のフィンランドは、ロシアとの対外的な干渉から立ち上がってきた時期ですから、ロシア帝領時代に教育を受けたサーリネンとしては複雑な気持ちだったのでしょうね。
その後同業の建築家達からの批判を聞き入れたうえで、徹底的な計画変更を行い鉄筋コンクリートを使用した現在の駅舎案を1909年に完了、これを元に建設が行われ10年後の1919年に新駅舎が完成します。その面影が現在の外観になります。
サーリネンにとっては、初期の出世作とも言える近世フィンランドを代表する名建築なのですが、サーリネン本人は、このヘルシンキ中央駅の完成でナショナル・ロマンティシズムから脱却し、モダニズム様式に傾倒していきます。そういう意味でも非常に貴重な建築とも言えますね。
marimekko aleksinkulma
フィンランドといえはmarimekko。街の主要な場所、ショッピングモールには必ずと言っていいほどお店があり、観光客を中心に賑わっています。ヘルシンキは比較的古い建物が多いため、リノベーション&コンバージョンによってお店にしているところが多いように見受けられます。ちなみに向こうではファブリックからアパレル、カトラリーまでなんでも揃っていて見ていて飽きません。ちなみに僕たちも買い物を楽しみましたが、この店ではありませんでした。笑
Marimekko Aleksinkulma
所在地: Aleksanterinkatu 50, 00100 Helsinki, フィンランド
時間:営業終了時間: 20:00
電話: +358 44 7194834
Akateeminen Kirjakauppa(アカデミア書店)
フィンランド、そして20世紀を代表するモダニズム建築家アルヴァ・アアルト(Alvar Aalto)が、1969年に設計したアカデミア書店(Akateeminen Kirjakauppa)。この国内最大の書店は、エスプラナーディ通りの老舗デパートであるストックマンの隣にあり、アアルトの建築めぐりのスタートとして最適な場所です。
内部はビアンコの壁で覆われ、コリドールの三層吹き抜けの開放的な空間。天井には、彫刻のようなトップライトが並んでおり、この空間を印象付けます。光に腐心したアアルトらしい演出です。天井は波のようにゆるやかなカーブの造形があり、正面入口のドアには波が重なり合ったようなハンドルがついています。この辺の遊び心(波はアアルトのアナグラム)を失っていないところがアアルトの魅力だったりします。
アカデミア書店の2階奥には、アアルトの名前がついたカフェ、カフェ・アアルト(Cafe Aalto)があります。小さいお店ですが、大理石のテーブルやブラックのレザーのアントチェア、artekの名作”GOLDEN BELL”など、アアルトゆかりのプロダクトが使用されています。ちなみに映画『かもめ食堂』で、サチエ(小林聡美)さんがミドリ(片桐はいり)さんと出会って「ガッチャマンの歌」を歌ったカフェとしても有名(笑)です。
Akateeminen Kirjakauppa
所在地: Pohjoisesplanadi 39, 00101 Helsinki, フィンランド
時間: 開店時間: 土 9:00
電話: +358 20 7608999
KAMPIN KAPPELI(静寂の礼拝堂)
「ワールド・デザイン・キャピタル ヘルシンキ(WDC)」を記念して2012年に完成。日々の忙しさから静粛を求めるために造られた礼拝堂で、フィンランドのローカルアーキテクトであるK2S 設計事務所が設計しています。もみの木を積層させた大きな酒樽のような外観が印象的な建築で、カンピ・ショッピングセンター前のナリンッカ広場という賑やかなにカンピ地区に計画されました。
第一印象はとてもフィンランドらしい着想の建築。「光が感知できない暗闇」と「無音の静粛」は現代を生きる殆どの人が日常生活で経験できないと言われている中で、ヘルシンキのような都会の中で静粛を求めるためにこのような優しい建築を建てることは意味がありますからね。心の平穏といってもいいかもしれない。そうなると丸っこい優しい形状も頷けますよね。
KAMPIN KAPPELI(カンピ静粛の礼拝堂)
所在地: Simonkatu 7, 00100 Helsinki, フィンランド
電話: +358 9 23402018
テンペリアウキオ教会(Temppeliaukion kirkko)
フィンランドは、豊かな森と氷河期から形成された湖、そして岩山が自然の象徴とされていて、このテンペリアウキオ教会は「可能な限り自然の岩を残す」をコンセプトに設計されています。設計したのはティモ&トゥオモ・スオマライネン兄弟で、1969年に完成しました。
グランドラインがいく部下がったところにあるのは、自然の岩山を掘削しているためで、円形状に抜かれた上にガラスとスチールで組み上げられたドーム型の天井が被されています。
フィンランドの人々は自分たちの国にある豊かな自然をとてもリスペクトしていて、その豊かな自然を再生可能で持続性を伴った形で、寄り添いながら暮らしています。特に冬の夜が長いフィンランドでは、日中の光の取り込み方に腐心している建築が多く、結果として人工的な照明に頼らなくても十分に明るい内部空間が実現されています。この建築は自然に対しての危機感があまりなかった時代に建てられていますが、無理がなく、アノニマスだけど堅実な設計でとても印象に残りました。
テンペリアウキオ教会(Temppeliaukion kirkko)
所在地: Lutherinkatu 3, 00100 Helsinki, フィンランド
KIASMA(国立現代美術館キアズマ)
1992年に建築設計コンペによってタイポロジーを駆使したアメリカ人建築家スティーヴン・ホールの設計案『chiasma』がえらばれ、実現した現代美術館です。chiasmaとは視神経の中枢で交差する場所のこと。当初、フィンランドなどスカンジナビアゆかりの建築家の勝利が期待され、周辺環境やフィンランドの風土にマッチした美術館が要請されていましたが、現代美術館という大きな観光資源としての要請が勝ったのかもしれません。実際、スティーヴン・ホールの代表作として、僕らも見に来ているわけですからね。笑
比較的規模が小さい美術館でもあるのですが、開かれた美術館という印象で開放的な造りですが、計画当初は周辺環境に馴染めず、俗物的な建築としてフィンランドの人には映ったのかもしれません。アアルトやサーリネンのような派手さはないけれど、堅実な建築を求めていたわけですから。最終的には、観光資源としての期待が勝りスティーヴン・ホールの設計案を受け入れたような気がします。実際、スティーヴン・ホールの代表作とされていますし、こうやって遠路はるばる僕らも見にいっている訳ですからね。笑
KIASMA(国立現代美術館キアズマ)
在地: Mannerheiminaukio 2, 00100 Helsinki, フィンランド
開店時間: 10:00
電話: +358 29 4500501
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