Barcelona 2015 Vol.02|カイシャ・フォルム〜モンジュイック・タワー

カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランス部分。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。ファサード面。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

到着初日

バルセロナ空港から、H10 Itacaに到着したのが14:00でしたので、少し休憩してから近所のモンジュイック地区を散策しにいきました。モンジュイックにある多くの施設は、1929 年の世界博覧会、さらには1992年のバルセロナ・オリンピックのために作られたもので、文化施設とスポーツ施設が林立する、バルセロナの歴史を語る上で重要なエリアです。

Caixa Forum(カイシャ・フォルム・バルセロナ)

カイシャ・フォルム・バルセロナ

カイシャ・フォルム・バルセロナ。ファサードからの近影。


カイシャ・フォルム・バルセロナ

カイシャ・フォルム・バルセロナ。ファサード面近影。


カイシャ・フォルム・バルセロナ。ファサード面近影。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。ファサード面近影。

タクシーに乗って向かったのは、Caixa Forum(カイシャ・フォルム・バルセロナ)。スペインの銀行大手であるラ・カイシャ銀行が所有している複合アート施設です。バルセロナ・パビリオンやカタルーニャ美術館にほど近いこの建物は、モデルニズモの著名な建築家の一人プッチ・イ・カダファルクが設計した紡績工場「カサ・ラモナ」として1911年に建設されその後閉鎖。 その後長らく廃墟となっていましたが、2002年になって地元最大手銀行の「La Caixa」によって文化センターとして改築しました。

カイシャ・フォルム・バルセロナ

カイシャ・フォルム・バルセロナ。余りにスッキリしていて気づかないけどエレベーターです。


カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランス面近影。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランス面近影。

その際エントランス部分は、バルセロナ・オリンピックの屋内競技場パラウ・サン・ジョルディ(Palau Sant Jordi)を設計した日本の建築家、磯崎新が担当しています。 期間限定のイベント(僕らが訪問した時はアルヴァ・アールト Alvar Aaltoの企画展)や常設展示が並び、またモンジュイックエリアでは貴重なCafeが併設されている事もあって、複合的な文化施設として親しまれています。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランス面近影。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランス面近影。


カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランス面からファサードを見上げる。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランス面からファサードを見上げる。


カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランスホールの受付。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランスホールの受付。


カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランスホールの受付の対面にあるミュージアムショップ。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。エントランスホールの受付の対面にあるミュージアムショップ。


カイシャ・フォルム・バルセロナ。2Fギャラリーエリア。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。2Fギャラリーエリア。


カイシャ・フォルム・バルセロナ。2Fギャラリーエリアのパティオから見上げる。

カイシャ・フォルム・バルセロナ。2Fギャラリーエリアのパティオから見上げる。

磯崎新が設計したエントランス部分の大半は、地下にボリュームがあり、目透で貼られた大判のビアンコが、バルセロナの強い日差しに照り返され、バックにそびえるカダファルクの棟とのコントラスト、対比が誇張されています。地上からのアクセスはシンプルで規模も大きくないので、一見地味な感じに映る施設ですが、破綻が無く、またバルセロナの気候風土とマッチしていて非常に好感が持てます。それ故か現地の人には穴場的に利用する人が多い様ですね。笑

Caixa Forum (カイシャ・フォーラム、カイシャ・フォールム・バルセロナ)
ADD : Av. Marque’s de Comillas, 6-8 
Phone : 93 476 8600
※入場無料
※このエントリーの情報は2015.8.23時点の情報です。バルセロナの施設は頻繁に開業時間が変わるので詳しくはCaixa Forum Websiteで確認するのをおススメします。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)

この建築は、余りにも有名すぎて説明不要かもしれませんが(笑)、ドイツ人建築家の巨匠ミース・ファン・デル・ローエが1929年にバルセロナで開催された万国博覧会の際に、ドイツ館として建築したモダニズム建築の傑作です。ちなみにこの建物自体は元々仮設建設され、博覧会終了後取り壊された初代の設計図と仕様書を元に復元した二代目で、1986年にこの地に建ちました。 ちなみにこのパビリオンの為に製作されたバルセロナ・チェアはスペイン国王夫妻をお迎えする為に製作されたものとして有名ですね。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。赤瑪瑙(オニキス)、バルセロナチェアと青瑪瑙の壁に囲われた中庭の池。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。赤瑪瑙(オニキス)、バルセロナチェアと青瑪瑙の壁に囲われた中庭の池。


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。青瑪瑙の壁に囲われた中庭の池。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。青瑪瑙の壁に囲われた中庭の池。

赤瑪瑙(オニキス)と青瑪瑙(バンデッドアゲット)の壁に囲われた中庭の池。この色の対比、その中に鎮座する彫刻の存在感。ドアの無い硝子スクリーンが一つの結界になってこの空間の佇まいを際立たせています。この石も復元時に探し求めたものでしょうから、当時とニュアンスが異なるかもしれませんが、端正な規則性に対しての派手な表情の瑪瑙の壁。寸分違わない目地の納まりといい、その割り付けといい溜め息が出てきます。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。裏庭へ続く回廊。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。裏庭へ続く回廊。


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。青瑪瑙の壁に囲われた中庭の池。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。青瑪瑙の壁に囲われた中庭の池。


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。左側の柱は解りにくいですが十文字断面のクロームメッキされた鉄柱。瑪瑙の壁に比べて非常に華奢な造り。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)。左側の柱は解りにくいですが十文字断面のクロームメッキされた鉄柱。瑪瑙の壁に比べて非常に華奢な造り。


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) 重厚なトラバーチンの壁。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) 重厚なトラバーチンの壁。


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) 重厚なトラバーチンの壁。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) 重厚なトラバーチンの壁。


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) シャープな庇、重厚なトラバーチンの壁と水盤を眺める。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) シャープな庇、重厚なトラバーチンの壁と水盤を眺める。


El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) 水盤からの全景。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン) 水盤からの全景。

約100年前、19世紀以前の建築様式を批判し、現実に合った建築をつくろうとする近代建築運動により生まれたモダニズム建築ですが、ガウディに代表されるモデルニスモ様式の対極であり、そのミニマムで薄く軽く、禁欲的な設えは当時これを見た人さぞかし度肝を抜かれたと思います。このモダニズム建築の傑作は、ガウディの死後3年足らずで完成している事を考えると、二つの様式は意識的にはラップしていますし、この未知の建築に対し、未来感みたいなものを醸成したに違いありません。

El Pabellón de Barcelona(バルセロナ・パビリオン)
ADD : Avenida Francesc Ferrer i Guàrdia, 7, 08038 Barcelona
Phone :  +34 934 23 40 16
※入場料 5ユーロ
※このエントリーの情報は2015.8.23時点の情報です。バルセロナの施設は頻繁に営業内容が変わるので詳しくはWebsiteで確認するのをおススメします。

Museu Nacional D’Art De Catalunya Mnac(カタルーニャ美術館)

1929年のバルセロナ万博の際に建てられ、開会式が行われた場所。


その後に美術館として使われ現在に至る。国立宮殿の前にあるのが、マジカ噴水。

MNACとも呼ばれるカタルーニャ美術館は、11世紀から13世紀初めにヨーロッパで栄えたロマネスク様式の作品のコレクションを主に収集している美術館。ロマネスク様式とは、簡単に言ってしまうとキリスト教の啓蒙と密接に関係しているアートや建築の様式です。カタルーニャと名付けられている通り、この地方に根付いたコレクションを集めており、ゴシック、ルネッサンス、バロック、モダンの各様式ごとに数々のコレクション、貨幣や当時のリーフレット、さらにはピカソやダリの絵画やガウディがデザインした家具まであります。

バルセロナにある美術館としては、最大級の規模を誇る。


Museu Nacional D’art de Catalunya(カタルーニャ美術館)のファサード面。

僕らが到着した初日は月曜日。あいにく休館日でしたが、折角なのでということで上まで上がってみました。そこで見える風景がこんな感じで素晴らしいのです。

美術館のテラスから、スペイン広場方面を眺める。


美術館のテラスから、スペイン広場方面を眺める。


美術館のテラスにはカフェテラスも併設。

この建物は、モンジュイック国立宮殿という1929年の万博の際に建設されたもので、非常に重厚なネオバロック建築。このモンジュイック・エリアの殆どの建造物は、1929年の万博に創られたものであり、そのヘリテージを引き継いで行われた1992年のオリンピックとバルセロナの歴史を語る上でのターニングポイントを背負っているエリアとも言えます。観光客や地元の人でにぎわっていますが、夏と言えでも夕方以降は比較的涼しいバルセロナなので、夕方に行くのがお薦めです。

Museu Nacional D’art de Catalunya(カタルーニャ美術館)
ADD:Palau Nacional Parc de Monjuic
TEL:(34) 93 622 0360
閉館日:月曜定休(時期ごとにコレクション保護の定休があり要確認)
開館時間:火曜~日曜10:00~20:00
入館料:12ユーロ
※このエントリーの情報は2015.8.23時点の情報です。バルセロナの施設は頻繁に営業内容が変わるので詳しくはMuseu Nacional D’art de Catalunyaの公式サイトで確認するのをおススメします。

Torre de Comunicacions de Montjuïc(モンジュイック・タワー)

スペインの建築家・構造家のサンティアゴ・カラトラバ(Santiago Calatrava 1951年7月28日-)が設計。

 バルセロナオリンピックに合わせて建造されたモンジュイック・タワーは、スペインの建築・構造家のサンティアゴ・カラトラバにより設計されたものです。構造家らしく有機的なフォルムを構造計算から導き出して創り上げる手法で有名であり、アーキテクト・エンジニアの大家です。ここバルセロナではバッグ・ダ・ローダー橋を手がけている事でも知られています。

オリンピック開催に合わせて建てられたスペインの通信会社テレフォニカの電波塔。


タワーの傾斜は夏至の太陽角度に合わせた日時計としての役割も

この塔は、スペインの通信会社テレフォニカの電波塔であり、タワーの傾斜は夏至の太陽角度に合わせた日時計としての役割も担っています。構造計算を駆使した3点支点のベースなど、カラトラバ節炸裂と言った感じのタワーです。

Torre de Comunicacions de Montjuïc(モンジュイック・タワー)

ADD : Avinguda de Estadi 48, 08038 Barcelona
入場無料
http://www.calatrava.com/  

初日終えて

そんな感じの初日ですが、このモンジュイック・タワーを見学した後オリンピックスタジアムを覗き(笑)時計を見たら19時近く。行きのドバイのトランジットが4時間あった事もあり、そのまま食事(食については後で纏めてご紹介します)してホテルに戻りました。比較的緻密に旅程を作ったのですが、初日は特にキツかったです。まあ、テンションも高かったですし、これもよしかな。と。ちなみにバルセロナで4人で移動する場合(徒歩での移動が厳しい距離)は、タクシーがお薦め。初乗りが2ユーロ2セント(2015年8月時)なので、市内であれば大抵10ユーロ以内で移動出来ます。東京に比べればだいぶ安いですし、疲れも軽減出来ます。駅から近いサグラダ・ファミリアなどは地下鉄での移動もいいかもしれません。そういう意味でもホテルの場所がとても重要ですね。 

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

過去のDesigncafeのデザイン旅行記はこちらのページでご覧ください。