Barcelona 2015 Vol.04|カタルーニャ音楽堂〜ラス・アレナス

バルセロナ二日目。後半。カタルーニャ音楽堂からラス・アレナスへ。
Photo @Hirasawa Futoshi / FUJIFILM X-T10+XF14 F2.8&XF18 F2

カタルーニャ音楽堂(Palau de la Música Catalana)

カタルーニャ音楽堂。南面のファサード。

1908年に建築家リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー(Lluís Domènech i Montaner)の設計によって完成した、モデルニズモ様式のコンサートホール。1997年に世界遺産に登録されていますが、現在も現役で使われているコンサートホールです。元々は、カタルーニャを代表する合唱団、ウルフェオー・カタラー(Orfeó Català、1891年設立)の為に、バルセロナの企業家たちが資金援助して建てられたホールなだけに、ディティールまで創り込まれた凝った建築です。

カタルーニャ音楽堂。ファサード東側。


カタルーニャ音楽堂。南面のファサード。露出上げて撮影。


カタルーニャ音楽堂。南面のファサード。露出上げて縦構図で撮影。


カタルーニャ音楽堂。西の増築部分のファサード。


カタルーニャ音楽堂。南面のファサードからのエントランス部。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。1Fより撮影。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。2F観覧席より撮影。


カタルーニャ音楽堂。ホール内部。2F観覧席より撮影。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ部分のステンドグラス。木製サッシュでオープンウィンに解放出来ます。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ外側のバルコニーの柱脚部ディティール。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ外側のバルコニーの柱脚部ディティール。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ外側のバルコニーの柱脚部ディティール。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエ天井のシャンデリア。


カタルーニャ音楽堂。ホワイエのステンドグラス。別アングルから。


カタルーニャ音楽堂。コリドールにアクセスする階段。


カタルーニャ音楽堂。ホール2F観覧席へアクセスする前室上部のステンドグラス。

 見ての通り、美しい色彩のコンポジションと様式美の粋を尽くした感じの設えですが、リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネーは、アントニー・ガウディに建築を教示した人物なので、建築家としての力量は説明不要でしょう。豪華絢爛には違いないのですが、同時期影響を受けた(はず)のアールデコに比べ、スペインの土着的な要素が見え隠れします。そこにこのホールの魅力が潜んでいるのかな、と。ステンドグラスの大胆で精巧な設えは、モデルニズモ建築の中でも随一だと思います。

カタルーニャ音楽堂へは、平日(2015.8.26)だった事もあり予約もせず行ったのですが問題なく入れました。入場料は18€。この入場料にはスペイン語・英語のいずれかのガイドが付き、館内の名所を案内してくれます。入場料としてはやや高額なので、もし時間がある方はライブチケットを購入して夜観覧する方をおススメします。ガイドは付きませんが、このホールのポテンシャルが堪能出来ると思いますよ。

PALAU DE LA MÚSICA CATALANA(カタルーニャ音楽堂)
ADD: C/ Palau de la Música, 4-6-08003BARCELONA
Phone: 93 295 72 00

 

 ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)

ラス・アレナス。元々は闘牛場。2011年にコンバージョンして完成したショッピングセンター。

 ラス・アレナスは、2011年に闘牛場だったアリーナをショッピングセンターにコンバージョンした複合施設で、設計はロンドンの設計事務所Rogers Stirk Harbour + Partners が担当。ファサード面は、闘牛場時代の面影を残しつつも、内部は根こそぎコンバージョンしている大胆な設計の施設です。

ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)の屋上北側のビュー。


ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)の屋上南側のビュー。


ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)の外観全景。

 このラス・アレナス、思いのほか二日目の旅程がスムーズに進んだので一旦ホテルに戻り、夕飯求めて向かったのですが(元々行く予定が無かったこともあり)まじめに写真を残していません。。dezeenに詳しい解説が紹介されていますので割愛しますが、内部は、ダブルスキンの二重構造。物販テナントを中心に配置されていて、屋上部分が展望エリアとレストランが360度展開されています。観光客は、ここからの眺望を求めて食事に来る人が殆ど(僕らもそう。笑)です。

所業施設的には、可もなく不可もなく無難ですが、スペイン広場の脇と言う立地ですから、観光と商業の二面性からの配慮(特にアクセシビリティ)されています。バルセロナのニーズなのでしょうが、彼らはこのようなコンバージョンが抜群に上手いですね。

ちょっと脱線しますが、個人的には、著名な建築家が手がけた世界的名作建築を見るのもの楽しいのですが、その地場に根付いた建築家やデザイナーの地道な仕事に興味があります。特にヨーロッパの場合、ローカルで力のある人が多いですし、刺激になりますから。また、記録として撮る写真も(個人的に写真が好きなのは置いておいても)建築誌に出てくるようなスタティックな美しさを求める写真ではなく、経年後の様子や周辺環境との交わりなどが見えるように撮っています。こうしておけば、数年後に再び訪れた時に「記録」の比較が出来ますからね。。

 

ラス・アレナス(Centro comercial de Las Arenas)

ADD : Gran Via de les Corts Catalanes, 373-385, 08015 Barcelona,
Phone : +34 932 89 02 44

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

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