伊東豊雄

Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

臺北、淡水、臺中 2018_Vol.08|國立臺灣大學社會科學院 COSS、辜振甫記念図書館

グリッドとヴォイドで構成された高層部と植物のアルゴリズムから構造を導いた図書館。

台湾4日目は、台中国家歌劇院に引き続き伊東豊雄さんの建築「國立臺灣大學社會科學院 COSS、辜振甫記念図書館」へ。国立台湾大学は、日本の植民地時代の旧帝国大学が前身で、戦後接収されそのまま大学として使われていますが、2005年に施設の老朽化や諸事情の中、社会学部棟+キャンパスとしてオープンした建築です。この施設は、台湾の財界人の重鎮、辜振甫氏を筆頭に200人以上の卒業生からの寄付で建設されました。

国立台湾大学のキャンバス。広大な敷地にヤシの植栽が規則正しく植栽されていて気持ちの良い環境です

国立台湾大学のキャンバス。広大な敷地にヤシの植栽が規則正しく植栽されていて気持ちの良い環境です

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館の全景。奥側の高層部が社会学部棟、手前の低層の建築が辜振甫記念図書館。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館の全景。奥側の高層部が社会学部棟、手前の低層の建築が辜振甫記念図書館。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館を敷地左側から。シンボルとなる図書館棟は、植物の成長アルゴリズムから導いたデザイン。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館を敷地左側から。シンボルとなる図書館棟は、植物の成長アルゴリズムから導いたデザイン。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館を敷地右側から。植物のアルゴリズムはフラクタルな形状ではなく不規則で動的なデザイン。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館を敷地右側から。植物のアルゴリズムはフラクタルな形状ではなく不規則で動的なデザイン。

辜振甫記念図書館から前庭を眺める。

辜振甫記念図書館から前庭を眺める。

国立台湾大学社会学部棟(左)とキャンバス。グリッドとボイドで規則正しい印象で図書館棟とは対照的。

国立台湾大学社会学部棟(左)とキャンバス。グリッドとボイドで規則正しい印象で図書館棟とは対照的。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。鉄筋コンクリートの屋根部のディティールが超絶的

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。鉄筋コンクリートの屋根部のディティールが超絶的。外部から眺める。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館の全景。奥側の高層部が社会学部棟、手前の低層の建築が辜振甫記念図書館。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館の全景。奥側の高層部が社会学部棟、手前の低層の建築が辜振甫記念図書館。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。学部棟の1Fは職員室とラウンジ、学習室で構成されています。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。学部棟の1Fは職員室とラウンジ、学習室で構成されています。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。鉄筋コンクリートの屋根部のディティールが超絶的。不規則な形状はアルゴリズムから。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。鉄筋コンクリートの屋根部のディティールが超絶的。不規則な形状はアルゴリズムから。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架をはじめとした家具デザインは藤江和子さんの手によるもの。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架をはじめとした家具デザインは藤江和子さんの手によるもの。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架は二種類の高さで構成され、外光に面した部分に自習用のデスクが並んでいます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架は二種類の高さで構成され、外光に面した部分に自習用のデスクが並んでいます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架を含めたレイアウトはスパイラル状に計画され、植物のアルゴリズムから導かれた柱脚と織りなすように並んでいます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架を含めたレイアウトはスパイラル状に計画され、植物のアルゴリズムから導かれた柱脚と織りなすように並んでいます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。照明はつり下げ式の間接照明でアンビエントな印象の照明計画。違和感がありません。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。照明はつり下げ式の間接照明でアンビエントな印象の照明計画。違和感がありません。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架はバンブーの集成材で作られています。なかなか贅沢。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架はバンブーの集成材で作られています。なかなか贅沢。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。レイアウトはスパイラル状に計画されているのがよくわかる一枚。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。レイアウトはスパイラル状に計画されているのがよくわかる一枚。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架を含めたレイアウトはスパイラル状に計画され、植物のアルゴリズムから導かれた柱脚と織りなすように並んでいます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。ライブラリーの書架を含めたレイアウトはスパイラル状に計画され、植物のアルゴリズムから導かれた柱脚と織りなすように並んでいます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。スパイラル状に計画された書架、植物のアルゴリズムから導かれた不規則な柱脚の関係性に圧倒されます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。スパイラル状に計画された書架、植物のアルゴリズムから導かれた不規則な柱脚の関係性に圧倒されます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。社会学部棟から入場するとこんな感じに見えてきます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。社会学部棟から入場するとこんな感じに見えてきます。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。窓辺の自習スペース。目的に合わせて椅子やチェア、スツールが配置されていて開放的な雰囲気にマッチしています。羨ましい限り。

国立台湾大学社会学部棟+辜振甫記念図書館。窓辺の自習スペース。目的に合わせて椅子やチェア、スツールが配置されていて開放的な雰囲気にマッチしています。

国立台湾大学のキャンバス。よく手入れの行き届いたガーデン。

国立台湾大学のキャンバス。よく手入れの行き届いたガーデン。

国立台湾大学のキャンバス。広大な敷地にヤシの植栽が規則正しく植栽されていて気持ちの良い環境です

国立台湾大学のキャンバス。広大な敷地にヤシの植栽が規則正しく植栽されていて気持ちの良い環境です

国立台湾大学社会学部棟は、グリッドで規則正しい印象でヴォイドで中空フロアーを作ることでコミュニティーと学部内の人の導線をうまくコントロールしていて、非常に機能的。辜振甫記念図書館はこの施設のシンボルとなるべく、植物(ハスかな?)のアルゴリズムから導き出した構造(スパイラルと逆スパイラル)で規則性がありそうでない、ハスが自生しているような感覚を覚える建築です。雨水を還流させ、床下に流し込むことで得られる輻射冷房を採用しているそうで、見た目以上に先進的。アンビエントとタスクを使い分けた照明計画といい、スパイラルでいかにも使いやすそうな書架と言い、デザインと機能のバランスが素晴らしい建築でした。

キャンバス内は一部のセキュアゾーンを除くと自由に出入りができ、辜振甫記念図書館はパスポートの提示をすれば15分間の見学と写真撮影が許されます。台湾に建築を観に行く人たちにとっては台中国家歌劇院と並んで見学マストな建築です。

 

台湾大学社会科学部棟
辜振甫先生紀念圖書館
住所:台北市大安區羅斯福路四段一號
図書館開放時間:月~金8:20~21:00、土9:00~17:00、日休み

 

 

臺北、淡水、臺中 2018 Reported by Futoshi Hirasawa

臺北淡水、臺中 2018_Vol.01|天成文旅 華山町 Hua Shan Din by Cosmos Creation
臺北淡水、臺中 2018_Vol.02|華山1914文創園區(華山1914
文創園区)
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.03|雲門劇場 Cloud Gate Theater、淡水老街、漁人碼頭
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.04|臺北市立圖書館北投分館、北投温泉
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.05|台中駅、台中国家歌劇院
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.06|台中市円形野外劇場、国立台湾美術館、宮原眼科
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.07|Home Hotel DaAn
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.08|國立臺灣大學社會科學院 COSS、辜振甫記念図書館
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.09|松山文創園區(松山文創園区)
臺北、淡水、臺中 2018_Vol.10|在鎮和台灣用餐 街と台湾での食事

→ Designcafeのデザイン・建築研修旅行・視察旅行のページへ戻る

Barcelona 2015 Vol.07|カサ・ミラ / スイーツアベニューバルセロナ

カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード

カサ・ミラ2Fのレストランの内観。

カサ・ミラの1Fテナントエリアのファサード面。今でも有効に活用されています。

グラシア通り (Passeig de Gràcia)から見た、カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)1F部分。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)ファサード近影。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景。

カサ・ミラ。外から見たコリドー内部。

バルセロナ三日目後半。カサ・ミラ&Suites Avenue Barcelonaへ。

カサ・ミラ ( Casa Milà )

Text / Photo @Hirasawa Futoshi / FUJIFILM X-T10 + XF14 F2.8 & XF18 F2

カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード

アントニ・ガウディの傑作の一つカサ・ミラ(Casa Milà)は、彼が54歳の時に設計した邸宅兼集合住宅(実業家のペレ・ミラとその家族の住居と賃貸アパートメント)でグラシア通り (Passeig de Gràcia)沿いに建っています。ガウディが最後に設計した私邸は、現在も集合住宅&店舗併設のテナントビルとして活用されています。

グラシア通り (Passeig de Gràcia)から見た、カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード。

自然からインスピレーションを得て設計に取り込む事を好んだガウディらしく、このカサ・ミラでも波のようなフォルムや地中海という「海」から着想得た造形が至るところに散りばめられ、ユニークな設えになっています。ここまで直線を回避して計画されているので、この建築を「彫刻」と捉える専門家います。

カサ・ミラの1Fテナントエリアのファサード面。今でも有効に活用されています。

僕らが到着した時は、ギリギリ入館時間に間に合わず(泣)外観から眺めるのみでしたが、2Fのレストランの中を見学させてもらう事ができました。観光名所ですから、僕らのようなケースで見逃した人も多いのでしょう。とても親切に見ていいよって言われました。笑

カサ・ミラ2Fのレストランの内観。

レストランの内装ですが、天井や柱の一部は竣工当初の面影を残しているそう。同じコンテクストで設計されている感じがしますね。 写真が撮れたのはここまで。個人的には前回も見学しているのであきらめがついたのですが、初めて来たうちのメンバーにはちょっと可哀想な事をしました。ちなみに、カサ・ミラの屋上部の写真はこちらのサイトで詳しく見る事ができます。

カサ・ミラのファサード夜景。


カサ・ミラ。外から見たコリドー内部。

カサ・ミラ(CASA Mila)
住所  Provença, 261-265 【地図はこちら】
URL https://www.lapedrera.com/en/home
開館時間 9:00~20:00(3月~11月上旬):9:00~18:30(11月上旬~2月)
(1/1は11:00~18:30)*入場は閉館30分前まで
休館日 1月中旬の1週間、12/25
料金大人€20.50, 学生:€16.50, 子供7歳~12歳:€12.50 6歳以下は無料
最寄駅地下鉄3/5号線Diagonal(ディアゴナル) 駅から徒歩1分

 

Suites Avenue Barcelona(スイーツアヴェニューバルセロナ)

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)は、CASA Milaの斜め前、グラシア通り (Passeig de Gràcia)沿いに建つ、アパートメントタイプのホテル。元々はオフィスビルで、建物的にはコンバージョンに近いのですがファサード面の改修のみ日本の建築家、伊東豊雄さんが手がけられていて、日本の建築雑誌でも度々取り上げられている建築です。完成は2009年。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)ファサード近影。

規模的にはとてもコンパクトな建築ですが、ファサード全体を波のような鋼板で覆っており、厚さ8mmの鋼板をシームレス溶接で接合した上で、フラットバー程の薄い桟で固定しています。非常に繊細なディティールですが、波のずれが開口部や目隠し壁となっていて独特な表情を生み出しています。カサ・ミラが地中海の海や凪から着想得ている事は前述しましたが、カサ・ミラの斜め前という場所性からコンテキストを引用したのは想像に難しくないです。ちなみにこのファサードは、景観規制の論議に上がり、市長直属のデザイン委員会にプレゼン&審査で説得して決まったそうです。大変だったんですね。笑

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景


Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)1F部分。

時期的にミキモト銀座と被ると思うのですが、外観の色彩に共通点が見てとれます。ちなみにホテル自体の評判もブッキングドットコムで13位くらいですから、かなり評価されていると思います。実際このホテルも事前に予約を試みましたが、一ヶ月先まで満室(泣)。部屋の中からグラシア通りとカサ・ミラを眺める事は叶いませんでしたが、次回は必ず泊りたいです。

 

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)
公式サイト
ADD: Passeig de Gracia, 83, 8008 Barcelona, Spain
Phone: 010 34 934 87 41 59

 

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

過去のDesigncafeのデザイン旅行記はこちらのページでご覧ください。

ヤオコー川越美術館・小江戸川越・蔵の街

ヤオコー川越美術館・シンボルツリーサークル

ヤオコー美術館・エントランスのサイン

ヤオコー川越美術館・展示室1

ヤオコー川越美術館・展示室2のトップライト部

ヤオコー川越美術館・ラウンジで頂けるお抹茶&おはぎセット。入館料込みで600円也。

ヤオコー川越美術館・ラウンジから眺める水盤

ヤオコー川越美術館・ラウンジ天井

ヤオコー川越美術館・敷地正面からの建物ビュー

川越氷川神社・大鳥居

川越氷川神社・境内

川越氷川神社・境内にある行灯

川越氷川神社・鯛のお神籤

小江戸の街・菓子屋横町

小江戸の街・蔵の街

小江戸の街・蔵の街

小江戸の街・蔵の街

小江戸の街・時の鐘

小江戸の街・COEDOビールドラフト

ヤオコー川越美術館と小江戸の街・川越に行ってきました。都心から車・電車で1時間。川越は町を挙げて江戸時代に創られた街並を丁寧に保存している街ですが、小江戸の街並は過去数回訪れた事があったので、今回は2011年に竣工したヤオコー川越美術館を中心に、氷川神社などを織り交ぜて撮影を楽しみながら散策してきました。 

 ヤオコー川越美術館は、主に埼玉西部を中心に北関東一円に店舗展開しているSM、ヤオコーが創業120周年の記念事業として計画された美術館で、リアリズムを追求した抽象画家・三栖右嗣のコレクションを展示・一般開放しています。 元々は同社創業者一族がコレクションしていた作品のようですが、地域性の高いスーパーマーケットを生業にしている同社が地元に貢献出来る記念事業として長年温めていた計画とのこと。また、三栖が埼玉県比企郡ときがわ町にアトリエを構えていた事とヤオコーが小川町で創業していた縁も大きかったようです。 

ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (45)

ヤオコー川越美術館・シンボルツリー側からの建物全景


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (44)

ヤオコー川越美術館・敷地正面からの建物全景


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (42)

ヤオコー川越美術館・エントランスのサイン


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (35)

ヤオコー川越美術館・敷地正面からの建物ビュー

 建築デザインとしては、見ての通りとてもミニマムに纏められていて、小規模と言う事もありヒューマンスケールを逸脱しないサイズ感の建築です。竣工して3年経過している事もあり、周辺に計画された植樹・緑化も定着していて、建物周辺の水盤の効果もあり穏やかなたたずまいがあります。

ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (43)

ヤオコー川越美術館・シンボルツリーサークル

シンボルツリーのサークルは、ベンチ仕立てになっていて建物とお揃いのコンクリート製です。植え込みに見えるグレアカットフード付きアウトドアスポットライトの数から、夜は象徴的に浮かび上がらすことで、一つのサインとしての象徴性をこの樹に持たせている意図が伺えます(ちなみにこの美術館、道側に大きなサインが一つもありません)。

ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (41)

ヤオコー川越美術館・展示室1


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (39)

ヤオコー川越美術館・展示室2


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (40)

ヤオコー川越美術館・展示室2のトップライト部

内部に関しては、4つの大きな空間に仕切られていて、展示室は「陰と陽」の関係性で対比した空間になっています。展示されている三栖の作品からインスパイアーされているようですが、作品の世界に入り込みやすくする為に無駄を削ぎ落とした設えになっていて、必要最低限の光(展示室1)・開放感を醸成させる光(展示室2)の対比はとても印象的です。エアコンの送風口もスリットライン状に幅木に添わせている徹底ぶりで、マニア心をくすぐります。細かい話ですが(笑)。。

ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (37)

ヤオコー川越美術館・ラウンジから眺める水盤


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (36)

ヤオコー川越美術館・ラウンジ天井


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (38)

ヤオコー川越美術館・ラウンジで頂けるお抹茶&おはぎセット。入館料込みで600円也。

今回は「伊東豊雄さんが設計した美術館」が「川越の蔵の街」のちょっと行った所にあるらしい・・位の前知識で行ってきたのですが、本川越駅からの導線・・蔵の街→氷川神社→新河岸川の畔というロケーションの設定は絶妙で(川越に詳しい人なら解ると思いますが)この散策路で廻る事でこの美術館の魅力を引き出しています。後で気がついた事ですが、新河岸側の両岸は桜並木が植えられていて、この美術館に多く収蔵されている「桜をモチーフにした絵画」と準えているんですね。桜の季節に散策したらきっと三栖作品の魅力が倍増するんでしょうね。

三栖作品についても、この美術館のリーフレットを読んで知った程度の知識でしたが、そのリアリズムの作風は、彼独特のデフォルメがあり、恣意的で、若い時よりも晩年の方が顕著に現れます。絵画は実際に間近で見ないとその迫力が伝わって来ないですし、写実的な作風なので子供でも楽しめます。建築も然り。そういう意味でもこの美術館は一般の人が接しやすい美術館なのでしょうね。また余談ですが、ラウンジで頂けるおはぎセットは絶品でした。美術館の方に伺った所、ヤオコーさんでも同じものが買えるそうです。笑 

ヤオコー川越美術館(三栖右嗣記念館)
施主:ヤオコー
設計:伊東豊雄/伊東豊雄建築設計事務所
所在地:埼玉県川越市氷川町109-1
用途:美術館
構造:壁式鉄筋コンクリート造 一部鉄骨造
規模:地上1階
竣工:2011年12月
公式サイト http://www.yaoko-net.com/museum/

川越氷川神社・小江戸の街 (32)

川越氷川神社・大鳥居


川越氷川神社・小江戸の街 (30)

川越氷川神社・境内


川越氷川神社・小江戸の街 (26)

川越氷川神社・境内にある行灯


川越氷川神社・小江戸の街 (22)

川越氷川神社・鯛のお神籤


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (20)

小江戸の街・菓子屋横町


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (17)

小江戸の街・蔵の街


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (16)

小江戸の街・蔵の街


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (12)

小江戸の街・蔵の街


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (9)

小江戸の街・時の鐘


ヤオコー川越美術館・小江戸の街 (1)

小江戸の街・COEDOビールドラフト

 ヤオコー川越美術館の後は、裏手にある縁結びの神さまで有名な「川越・氷川神社」→昔ながらのお菓子を売るお店が軒を連ねる「菓子屋横町」→小江戸川越を象徴する「蔵の街」→蔵の街の中にある川越のシンボル「時の鐘」→旧田中家住宅を改装した「カフェ・エレバート」→大正期の看板建築が並ぶ「大正ロマン通り」といった感じで散策してきました。 小江戸という名称でそれなりの知名度もある川越なので、有名どころの説明は省略しますが、個人的に気に入っているのは「カフェ・エレバート」。外観は典型的な看板建築の洋館で奥に和創菜と四季のすし「風凛(ふうりん)」が併設されている、一見不思議な店ですが、店の造りもクオリティーも申し分無く、川越自慢の地ビール「COEDO」がドラフトで頂けます。通常5種類の瓶ビールで提供されるCOEDOですが、川越ではブルワリーが地元にある為、ドラフト(1種類)も提供されているんですね。すばらしい。埼玉には自慢出来るものが少ない、出身県民としては寂しい所なのですが、近年はお酒・・特に秩父のウイスキー「Ichiro’s Malt」や川越の「COEDO」のお陰でお酒好きが注目する場所に変わってきました。世界の名だたる賞を受賞してきた、埼玉が誇るお酒ツートップです。このお酒を〆に建築を探訪するのが正しい川越散策だと思います。笑

人気ブログランキングへ