安藤忠雄さんが会場構成を手がけたことでも話題になったメキシカン・アーキテクトの巨匠、ルイスバラガン展を見てきました。ルイス・バラガン、メキシコ人でプリッカー受賞者メキシカンアーキテクチャーの第一人者であまりにも有名になってしまった「カーサ・ヒラルディ」の事以外は、無知に近い僕にとってワクワクする気持ちとどのような思想と背景をもった人物なのかという未知の部分が交錯した複雑な気持ちを持って会場に向かいました。現時点ではまだ見られてない方、これからみたいという方も多いと思うので展示そのものの事は省きます。やはり実際に見てもらいたいので・・・バラガンは、生涯独身を貫き、読書と乗馬と静粛を愛した建築家と知られ、住宅建築から自身のプロデュースによる都市開発など精力的な活動をメキシコ国内で行った人物です。住宅建築から大成した部分で言えば日本が誇る巨匠、安藤忠雄と似ている部分があります。事際、安藤忠雄が敬愛してやまないと公言し、今回の東京展はスペシャルオブザーバーとして会場構成も手がけました。
バラガンといえば、やはりあの派手な配色の壁、太陽光の神秘的な使い方、自然と融和した建築に目が向きがちです。しかし今回の展示を見て感じたことは、彼の建築は様々なインスピレーションを得るために試行錯誤されている課程があり、インターナショナルな潮流を否定していなかったこと、そしてその受けた影響にメキシコの土着文化を融合した彼オリジナルの建築思想に基ついたものということが発見できた事でした。 またそれらが偏った思想でないことが分かり大変興味深い事実も知りました。なぜあんなに派手な色を使いながら空間に静粛が漂うのか?この回答は、この展示で納得できるかと思います。線や色や光が人をここまで感動させることが出来るんだという事をバラガンは証明してくれています。安藤忠雄がつくる建築にはある種「禅的な」空気感が醸し出されていますが、バラガンは「土着させる」つまりメキシコの土壌ではぐくまれた空気を彼の独特のモダニズムで空間化された感じがします。もしくは彼自身のノスタルジーの具現化かもしれません。計算され尽くされた、光源は彼が自然との共生に腐心した現れだとおもいます。僕自身、今回ほど高名な人の展示を見て深く感銘を受けたことは今までなかったです。本当にすばらしい展示でした。 このような建築家の展示は一見「玄人向け」と思われがちですが、ぜひこれから結婚する人達やカップルで見てもらいたい。住宅に対しての認識、もっとシンプルに「人生で幸せになることってなに?」ということを住環境から見直せると思うのです。バラガンのような住宅は確かに東京で再現するには難しいと思いますが、オリジナルな生活することを楽しんで考えるきっかけをバラガンは与えてくれるような気がします。バラガン展は、そんなささやかな幸福をみなさんに与えてくれますよ。
In his acceptance of the Pritzker Architecture Prize, he said, “It is impossible to understand Art and the glory of its history without avowing religious spirituality and the mythical roots that lead us to the very reason of being of the artistic phenomenon. Without the one or the other there would be no Egyptian pyramids, nor those of ancient Mexico. Would the Greek temples and Gothic cathedrals have existed?” Further, he called it “alarming” that publications devoted to architecture seemed to have banished the words, “Beauty, Inspiration, Magic, Spellbound, Enchantment, as well as the concepts of Serenity, Silence, Intimacy and Amazement.” He apologized for perhaps not having done these concepts complete justice, but said “they have never ceased to be my guiding lights.”