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Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

CITIZEN “LIGHT IS TIME” ミラノサローネ2014 凱旋展

 Spiralで開催中のCITIZENのミラノサローネ出展インスタレーション””LIGHT IS TIME“の凱旋展を見に行ってきました。雑誌や写真で見ていたものの、ミラノデザインウィーク2014で2冠(6部門中)に輝いたインスタレーションの凱旋展ですから、とても楽しみにしていたんですね。シチズンのデザインチームとDGTの田根さんが手がける会場構成。プロダクトブランドとしてのシチズンの姿勢が凝縮しています。以下コンセプトテキストからの引用ですが・・

シチズンのプロダクトポリシーは、「技術と美の融合」。
美のない技術に意味はないと考え、時計という小宇宙で“美”を追求してきたシチズン。その理念を世界に伝えるべく、2014年4月、シチズンは世界的デザインの祭典「ミラノサローネ」に出展します。160を超える国から、32万人以上が参加する世界的なデザインの祭典「ミラノサローネ」に出展することで、未来へと挑戦を続けるシチズンの魅力を、世界中の人々に伝えていきます。インスタレーションのテーマは、「LIGHT is TIME」。「光」と「時」の関わりを探求し、現在にとどまることなく、 未来へと挑戦を続けるシチズンの魅力をより多くの方に感じていただくために、ミラノから世界へと発信します。

まずはLIGHT is TIMEと名付けられた時と光をコンセプトにしたメインのインスタレーション。時計の地金を8万個使ってワイヤーでディスプレイしたものですが、その集積感は圧巻で、明滅するエフェクトライティングと音場に相まって幻想的な空間を生み出しています。その真ん中には、シチズンの時計第一号の懐中時計が展示されています。

次にマニファクチャー・エリア。自社で全ての部品を造るシチズンの想いやこだわり、製造の様子などがスコープに散りばめられた微小の部品、製造当時の写真などで展示されています。その精彩さを追求する為に努力を惜しまなかった姿勢が伝わってきます。 この後ミラノサローネのトロフィーの展示やシチズンの信念を可視化したパネルやムービ、シチズンの挑戦してきた技術の集積であるプロダクトの系譜の年表と続き、最後はサテライトウオッチをはじめとした、最新モデルの体験ができるタッチ&トライコーナーで展示全てが終わる構成になっています。

LIGHT is TIMEの圧倒的なインスタレーションに目が奪われてしまいますが、マニファクチャーエリアの展示も素晴らしく、日本のメーカーのこだわりと追求はイタリア人からみると病的に見えたかもしれませんね 笑。 個人的には、インスタレーションは想像以上に素晴らしくて文句の付けようが無かったのですが、サローネ会場と異なりここスパイラルでは「一続きの空間になっていない」為か、構成がわかりにくく入口から入って置いてあるフライヤーを観ないと順番に見られない・・僕らは、2(マニファクチャーエリア)→1(メインの LIGHT is TIME)→スパイラルマーケットを経由→6(タッチ&トライ)→5(年表)→4(グラフィック)→3(トロフィー)と観てしまったのが少し残念でした。会場の間取りから来る話ですから、やむを得なかったのでしょう。サローネのように順良く観られたらもっとシチズンの世界観に入り込めたのかもしれません。

ちなみに凱旋展は、24日まで。20:00までやっているようなので、観られていない方は是非。デザインの事がわからなくても感動出来ますし、シチズンという日本の時計メーカーの底力が体感出来る、素晴らしい展示会でした。

 

■開催概要■
会期:2014年11月14日(金)~24日(月・振休)11:00~20:00 会期中無休
会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)
〒107-0062 東京都港区南青山5-6-23
入場料:無料
主催:シチズン時計株式会社
お問い合わせ先:シチズン時計株式会社 お客様時計相談室 0120-78-4807
クリエイティブディレクション:シチズン時計株式会社 シチズンブランド事業部
会場構成・インスタレーションデザイン:DGT. (DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS)
照明・音響演出:LUFTZUG
音響設計・制作:WHITELIGHT

Photography X-M1 / Onomichi

尾道は、僕が小学生の頃に夏休みに祖父に連れられて良く訪れた町です。カメラマンだった祖父は、良く写真を撮ってくれたのですが、その原風景に残っているのが千光寺。低い山の山頂に築かれた小さな山寺です。尾道はお寺が多く、その殆どが山の中腹にあるため坂道が非常に多く(尾道は坂の町とか言われています)情緒ある風情が数多く残っています。瀬戸内海と山の間の狭い場所に街並が形成されている尾道は典型的な瀬戸内の小都市ですが、山頂から見る瀬戸内の風景は長閑で時間を忘れます。

Photography X-M1 / Tomonoura

取り組んでいるプロジェクトの工場視察の合間にクライアントに連れて行って頂いた鞆の浦。2008年公開された『崖の上のポニョ』で、宮崎駿監督が構想を練った地としても有名ですが、江戸時代の港湾施設である「常夜燈」、「雁木」、「波止場」、「焚場」、「船番所」が全て揃って残っているのは全国でも鞆港のみだそうです。街並の保存状態や古くからの景勝地として国立公園に制定されたのも早く、そのノスタルジックな漁港の風情と瀬戸内の温暖な気候が織りなすフォトジェニックな風景は、のどかで心が和みます。
撮影日:2014.11.6
撮影者:平澤 太