レンゾ・ピアノ

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Renzo Piano。このタイトルでは、建築を良く知らない人にはピンと来ないかもしれませんが、僕が最も敬愛している建築家でイタリア人。日本では、銀座・数寄屋橋のメゾンエルメスや大阪の関西国際空港の設計で有名です。

今月のa+uで彼の設計したニッコロ・パガニーニ音楽堂が掲載されていたのですが、とても美しい建築物でしかもそれがリノベーション(元に建っていた建築物を改修)で手がけていたので、非常に驚きました。大学時代に彼の講義聞き、影響を多分に受けたのでこの建築のあり方や作ったピアノの力量にあらためて敬意を抱いたわけです。

昔も今もですが、力量のある建築家はリノベーションが上手い。リノベーション自体は一から始める新築と違って当然制限があるので、その制限の中で問われている意味を考えて、そしてその考えを具現化していく訳です。ストレスの掛かる作業になるのですが、ピアノのようにテクノロジーを駆使しながらも生まれ育ったイタリアの港町の持つ情念を忘れず、状況と地域(国)、対象とするプログラムに対して、明快な回答をかえせる建築家はいないと思うんです。

数寄屋橋のメゾンエルメスは、スペイン産の特注ガラスブロックが使われているわけですが、当初日本の建築基準法の定める規程の構造強度に満たせなくて、かなりの情熱をもって陣頭指揮したと聞いています。その情熱は、ガラスブロックから透けて見える内部空間の灯りと銀座という街が持つ灯りをなぞらえた結果で、そこに日本におけるエルメスのあり方を問いかけた事にも起因している気がします。

彼がなぜ建築の世界で天才と呼ばれているのか?その理由が、なんとなく今回掲載されたニッコロ・パガニーニ音楽堂を見て解ったような気がします。

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