Designcafe-Blog | ブログ

Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

Barcelona España 2015 Vol.01|Hotel H10 Itaca(H10イタカ)

2015年の定例研修先は、スペイン・バルセロナ。

例年に引き続き、海外の都市に赴き”インプットしながら感じ取ってくる”事と”共有知を高める”為におこなっているDesigncafeの研修旅行。それは写真やインターネットの情報で解ったつもりでも、スケール感やボリューム感、空気感、香りなど、五感を働かせて体感しないと理解出来ない事が事が多いからです。今回のテーマは「環境、建築、空間、食。カタルーニャ&バルセロナ豊かな気候がもたらす恵みを五感で感じてくる事」。 今回のバルセロナは、個人的には12年ぶりの通算2回目だったのですが、これまでのDesigncafeの研修旅行はアジア圏でしたので、そろそろヨーロッパにも出かけようとなり(笑)今年の研修旅行先と相成りました。とは言っても、渡航時間や時差の関係もあり「プロジェクトに穴を空ける」という意味でクライアント&取引先の理解が無いと難しい訳でして(笑)、ご理解頂いたクライアント&取引先の皆様に感謝を申し上げる次第です。お礼にはならないかも知れませんがが研修旅行らしく(笑)これから12回に渡って、レポートを綴って参ります。 ご笑覧頂ければと。

hotel H10 Itaca

H10 Itaca。ホテルエントランス。


H10 Itaca。ホテルエントランス。

今回のベースとなるホテルは、サンツ駅(Sants)に程近いH10 Itacaにしました。H10というのは地元ホテルチェーンの記号で、サンツ駅のすぐ近く、アイシャンプル地区の中心部にありランク的にはバジェットライン(通常のツアーで普通に組み込まれる、比較的低廉な価格)のホテルです。H10というホテルグループのツーリズム向けのホテルで、日本で言えばさしづめ「設えの良いAPAホテル」といったところでしょうか。笑。値段的にはAPAホテルよりもだいぶ上ですが、バルセロナのバジェットラインでは比較的低廉なランクのホテルです。

H10 Itaca。ラウンジのリトリーフとブックシェルフ。


H10 Itaca。ラウンジに面しているバーカウンター。


ラウンジに常設されているリーフレット什器。パーテーションの役割も担っている。

研修旅行なので当然ながら予算があり(笑)、立地と価格と設えのバランスで決めたのですが、到着初日からモンジュイック(Montjuïc)を巡ったり、四日日目にはモンセラット修道院(Montserrat Monastery)を巡る予定を入れていたのでその中間に位置するアイシャンプル地区にあるホテルの方が便利という判断もありました。写真を見ての通り、このitacaは「ライブラリ」がテーマで、バルセロナの観光に必要な情報が本、リーフレット、Wifiから簡単に得られるように配慮されています。

H10 Itaca。ホテル目の前のロマ(Roma)通り。

このクラスのホテルだと他の都市では余り期待出来ない事が多く、トリップアドバイザーでホテルだけセパレートして予約するのがオチなのですが、バルセロナの場合、世界的に有名な観光地ということもあってか、バジェットラインのホテル・クオリティーが高く、清潔で、大抵は設えも良く快適に過ごせます。一番利用者の層が厚くニーズがある訳ですから、オリンピックを控えた東京もこのラインのホテルのクオリティーを上げる事がとても重要でしょう。また、バルセロナに限らずヨーロッパの場合、景観規制が厳しい事もありますが、大抵のホテルはリノベーションとコンバージョンで賄われており、建築にかかるコストが利用者に向かわないように配慮されていて、その分設えやデザインで解決する姿勢が見て取れます。

H10 Itaca。ホテルラウンジ全景。

客室はそれ程広くありませんが、トランク2つは楽に広げられる落ち着いた雰囲気の部屋でしたが、客室側は(築年数ゆえか)傷みがそれなりにあり、メンテナンスがもうすこし行き届くと良いのかなと思いました。とは言ってもバスルームも清潔感があり、お湯の出もよく快適でした。インターネットはWiFiが無料で使用でき、とても快適です。普通の観光であれば十分です。

H10 Itaca。ダイニングラウンジ。手前の可変パーテーションで会議室にも使えるようになっている。


H10 Itaca。ビュッフェの食事。

H10 itacaでは、通常の申し込みだと朝食のみセットされます。朝の遅いバルセロナですが、大抵のホテルは7:00から朝食が取れるようになっていて、見ての通りのビュッフェスタイルです。スパニッシュ中心ですが、種類も豊富にあり想像していたよりは良かったです。朝はちゃんと食べないと力も出ないですしね。

H10 Itaca。プールサイド。


H10 Itaca。プールの夜景。


H10 Itaca。プールの夜景。


H10 Itaca。プールの夜景。

H10 Itaca。バーメニュー。ワインリスト(左)カクテル&アラカルトメニュー(右)

バルセロナの大抵のホテルにはプールが完備されていて、気軽に利用する事ができます。なので水着は必須。(僕は忘れてしまったけど。笑)プールサイドもWiFiがきっちり飛んでいるので、夜半はここにきて日本からのメールの返信などを返していたりしました。写真のモヒートも美味しかった。夏のバルセロナは日が沈むのが遅いですし、その分22時くらいまではかなり賑やかな感じですが、外食して戻って来てもゆっくりできる空間があるのはやっぱり良いです。東京も含めアジア圏のホテルだとこういう隙間の部分の空間が余りなかったりするので、今後増えてくる事を期待したいです。 

H10 Hotels “Itaca” 
Av. Roma, 22 E-08015-Eixample-Sants Station-Barcelona
T (34) 93 226 55 94
F (34) 93 226 43 15
h10.itaca@h10hotels.com

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

過去のDesigncafeのデザイン旅行記はこちらのページでご覧ください。

NETGEAR ReadyNAS 104で、ファイルサーバーを構築。

大人の工作じゃありませんが(笑)、連休初日を利用して事務所用のファイル・サーバーを組み立て&セッティングすることにしました。根っからのMacユーザーで、昔はハンダ付けまでやりながら拡張とか自分でやっていたのですが、最近はオンボードチップやらが主流になり自分で増設したりする楽しみが減ってしまいました。Winなら自前で作れますが、異なるOSに移る気もなく(笑)その鬱憤をサーバーで晴らそうかと。笑

サーバーは、NETGEAR ReadyNAS 104 RN10400-100AJS という米NETGEAR社の4ベイタイプを、中に入れるHDDはWestern DigitalのNAS用HDDであるWD 内蔵HDD Red 4TB 3.5inch SATA6.0 64MB IntelliPower WD40EFRXを2台チョイス。元々NAS用に開発されたHDDなので、安定性はお墨付き。HDDは値段がこなれた(4TBで14000円くらいからありますね)とは言え、値幅があるので結構迷いますが、ネットワーク上で複数のユーザーがアップ&ダウロードを繰り返す事を考えると多少高くてもNAS用のHDDを選ぶべきです。注意点としては、NETGEARが推奨しているHDDから選ぶ事くらいでしょうか。ReadyNAS 104は、4ベイなので2台分の空きスペースが出来ますが、ここは将来の増設用にあけておきます。1ベイあたり4TBがメーカー推奨としているので、RAID 0で16TB、RAID 1で8TBが最大容量となるわけです。

組み立てと言っても、至って簡単で箱から取り出したReadyNAS 104のベイ1から順にHDDをセットして蓋を締めれば組み立て終了です。笑 ちなみにこのベイ、スライドレールの留め具が異常に固く取扱説明書にも書かれていないので面食らいます。構造的にポッチで止まっているだけなんだろうなと、力づくで外したら外れました。流石、アメリカ製品。

ちなみにこの取説、あまりに当たり前の事しか書かれていなくて、その雑さ加減に笑ってしまったのですが、サーバーの場合組み立てた後のセッティングに時間が掛かるので、基本的な項目は端折らないで欲しいです。

組み立てするよりも、サーバーの置き場を確保する方に時間が掛かってしまったのはご愛嬌として(笑)無事セッティング完了。電源ボタンを押し、HDDが認識(ベイのナンバーが点灯します)しているかを確認したらファーム上の設定に移ります。ちなみにこのReadyNAS 104は、液晶やインジケーターがブルーのLEDなのでなかなかカッコいいです。

 ファームのアップデート、クラウドの設定(うちの場合は必要ないのでOFF)セキュア設定を指定のローカルページからブラウザ上で設定します。この辺りはNASとかと一緒ですね。取説は雑ですが、ブラウズページはアイコンが多くて直感的で使いやすいです。 ReadyNAS 104はシリーズ全体の共通設定としてX-RAID2というNETGEARオリジナルのRAID設定で初期設定化されています。複数台のHDDを使う事で1台のHDDのデーターを他のHDDに分散コピーし、冗長化させデーターの損失を防ぐことがRAIDのメリットな訳ですけど、X-RAID2はHDDの台数追加や容量拡張に応じて、自動的にRAIDボリュームを構築・拡張してくれる機能。HDDを取り付け、電源を入れるだけで自動的にRAIDボリュームが構築されます。既述の通り、今回は4TBのHDDを2台入れているので、将来的に増設する場合は同量以上のHDDで増設しないといけない(うちの場合は4TBしか入れられない)など制約がありますが、この辺はマニュアルなどに記載されておらず、注意が必要です。

そんなこんなでセッティングも完了。組み立て〜セッティングまで30分もあれば終わってしまいます。良い時代になったものです。笑 ReadyNAS 104WD 内蔵HDD Red 4TB 3.5inch SATA6.0 64MB IntelliPower WD40EFRXの2台セットで6万円ちょっと。実容量が8TBで使用領域的には4TB。同等のネットワークサーバーを購入すると15万前後しますから、自分に最適なHDDを選んでセットするだけでこの価格はかなりお手頃かと。NASも良いのですが、やはりデザイン事務所が業務用で使うとなると4ベイくらいのサーバーがちょうど良く、後で拡張出来る方が経済的ですね。。

NETGEAR ReadyNAS 104 RN10400-100AJS
WD 内蔵HDD Red 4TB 3.5inch SATA6.0 64MB IntelliPower WD40EFRX

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ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo

セカンドフロアー面から見た、正面左側の店舗とコリドー。

正面右側の店舗棟とのコリドー。

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

客室内(WBルーム)

ルームアテンションサイン。

ルームアテンションサイン。

EV前の設え。

EV前の設え。

逆を見る。

エントランスからのメインコリドー。

エントランスからのメインコリドー。

エントランスサイン。

エントランスサイン。

メインラウンジ・Bar

メインラウンジ・Bar

ラウンジ&Barの既存天井。

ラウンジ&Barの既存天井。

ファサード。

店舗棟。

店舗棟パブリックエリアの内観。

店舗棟のパブリックエリアの外観。

店舗棟パブリックエリアの内観。

先週末は、学会の仕事で福岡へ出張に行っていたのですが、久しぶりの福岡・・ということもあり、福岡の老舗ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzoに泊ってきました。1980年代後半に建設された、デザイナーズホテル(この呼び方、個人的には抵抗があるんですが・・)の先駆けであり、メインのデザインプロデューサーが内田繁(内田さんはパブリックデザインも担当)、客室デザインが三橋いく代、建築の基本デザインはアルド・ロッシ、メインタワーを取り囲む4つの店舗棟のインテリアデザインは、アルド・ロッシ、倉俣史朗ガエターノ・ペッシェエットレ・ソットサスが共演すると言う、建築・空間デザインの教科書に登場する大御所の競演とも言える贅沢なホテルです。 残念ながら2009年に所有者が代わり、建築は丁寧に保存されているものの、インテリアに関しては別なデザイナーの手によって改装しており、一部の竣工当初の設えを残している個所のみ当時面影を見る事ができます。

以下 Wikipediaからの引用ですが・・

1989年に開業した日本におけるデザイナーズ・ホテルの先駆けで、バブル期に数多く企画された著名外国人建築家の設計による建築としても初期のものである。博多地区天神地区の中間にあり、春吉に位置する。客室数は62室。「イル・パラッツォ」(Il Palazzo)はイタリア語で「宮殿」の意味である。全体の基本設計をイタリア人建築家のアルド・ロッシが行っている。外装にはイラン産の赤みのあるトラバーチンが用いられており、垂直に走る円柱状のトラバーチンと、水平に走る緑色銅板のファサードに端正な表情を与えている。

ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (36)

ファサード面。1Fから。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (34)

正面右側の店舗とコリドー。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (12)

ファサード。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (6)

店舗棟のパブリックエリアの外観。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (9)

店舗棟。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (5)

店舗棟パブリックエリアの内観。

 

ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (15)

エントランスサイン。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (16)

エントランスからのメインコリドー。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (17)

逆を見る。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (14)

メインラウンジ・Bar


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (19)

ルームアテンションサイン。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (18)

EV前の設え。


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (13)

ラウンジ&Barの既存天井。

 

ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (21)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (22)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (23)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (25)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (26)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (27)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (28)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (30)

客室内(WBルーム)


ホテル・イル・パラッツォ – Hotel Il Palazzo (31)

客室内(WBルーム)

 建築に関しては、丁寧に手入れされており、赤いトラバーチンも経年変化によっていい状態になっています。スモールラグジュアリーというよりも、希代のクリエイター達が心血注いで創った感がにじみ出ていて、年数を経てもやはりいいなあと。個人的にイルパラッツオは二度目で、泊ったのは今回が最初でしたが、前回来た時もインテリアに関しては人が触れる部分だけに傷みが進行していた記憶があります。

2009年に改修した後の現状のインテリアは、部分的に竣工当初の仕上を残していたり、色を塗り替えていたりと新旧折衷なのですが、ビジネス側の要請からか無難にまとめられており、セグメント的にもビジネスよりも少しリッチな客層を狙っている感があります。元々春吉エリアはラブホテル街だったのですが、近年はビジネスホテルに業態転換しているホテルが多く、福岡の街が抱える課題(観光やビジネスショー・学会のニーズが高いのにビジネスライクなホテルが足りない)に直結しています。またホテルのセグメントも比較的VIPが泊まれるホテルが少ない事も、イルパラッツオがこのような改修を行った理由と繋がっている感じがしました。少し残念なのは、インテリアに関しても建築同様コンテクストの継承のようなデザインがなされていれば後世に残る遺産としてもっと愛されるんじゃないか?と。今のデザインが良い悪いではなく、文化として残して欲しかったです。内田繁さんはご健在ですからね。。

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