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Designcafe™ の主宰者、平澤太のブログです。デザイン考、ライフワーク、インサイト、旅行などを不定期に綴っています。

Barcelona 2015 Vol.07|カサ・ミラ / スイーツアベニューバルセロナ

カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード

カサ・ミラ2Fのレストランの内観。

カサ・ミラの1Fテナントエリアのファサード面。今でも有効に活用されています。

グラシア通り (Passeig de Gràcia)から見た、カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)1F部分。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)ファサード近影。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景。

カサ・ミラ。外から見たコリドー内部。

バルセロナ三日目後半。カサ・ミラ&Suites Avenue Barcelonaへ。

カサ・ミラ ( Casa Milà )

Text / Photo @Hirasawa Futoshi / FUJIFILM X-T10 + XF14 F2.8 & XF18 F2

カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード

アントニ・ガウディの傑作の一つカサ・ミラ(Casa Milà)は、彼が54歳の時に設計した邸宅兼集合住宅(実業家のペレ・ミラとその家族の住居と賃貸アパートメント)でグラシア通り (Passeig de Gràcia)沿いに建っています。ガウディが最後に設計した私邸は、現在も集合住宅&店舗併設のテナントビルとして活用されています。

グラシア通り (Passeig de Gràcia)から見た、カサ・ミラ (Casa Milà)のファサード。

自然からインスピレーションを得て設計に取り込む事を好んだガウディらしく、このカサ・ミラでも波のようなフォルムや地中海という「海」から着想得た造形が至るところに散りばめられ、ユニークな設えになっています。ここまで直線を回避して計画されているので、この建築を「彫刻」と捉える専門家います。

カサ・ミラの1Fテナントエリアのファサード面。今でも有効に活用されています。

僕らが到着した時は、ギリギリ入館時間に間に合わず(泣)外観から眺めるのみでしたが、2Fのレストランの中を見学させてもらう事ができました。観光名所ですから、僕らのようなケースで見逃した人も多いのでしょう。とても親切に見ていいよって言われました。笑

カサ・ミラ2Fのレストランの内観。

レストランの内装ですが、天井や柱の一部は竣工当初の面影を残しているそう。同じコンテクストで設計されている感じがしますね。 写真が撮れたのはここまで。個人的には前回も見学しているのであきらめがついたのですが、初めて来たうちのメンバーにはちょっと可哀想な事をしました。ちなみに、カサ・ミラの屋上部の写真はこちらのサイトで詳しく見る事ができます。

カサ・ミラのファサード夜景。


カサ・ミラ。外から見たコリドー内部。

カサ・ミラ(CASA Mila)
住所  Provença, 261-265 【地図はこちら】
URL https://www.lapedrera.com/en/home
開館時間 9:00~20:00(3月~11月上旬):9:00~18:30(11月上旬~2月)
(1/1は11:00~18:30)*入場は閉館30分前まで
休館日 1月中旬の1週間、12/25
料金大人€20.50, 学生:€16.50, 子供7歳~12歳:€12.50 6歳以下は無料
最寄駅地下鉄3/5号線Diagonal(ディアゴナル) 駅から徒歩1分

 

Suites Avenue Barcelona(スイーツアヴェニューバルセロナ)

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)は、CASA Milaの斜め前、グラシア通り (Passeig de Gràcia)沿いに建つ、アパートメントタイプのホテル。元々はオフィスビルで、建物的にはコンバージョンに近いのですがファサード面の改修のみ日本の建築家、伊東豊雄さんが手がけられていて、日本の建築雑誌でも度々取り上げられている建築です。完成は2009年。

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)ファサード近影。

規模的にはとてもコンパクトな建築ですが、ファサード全体を波のような鋼板で覆っており、厚さ8mmの鋼板をシームレス溶接で接合した上で、フラットバー程の薄い桟で固定しています。非常に繊細なディティールですが、波のずれが開口部や目隠し壁となっていて独特な表情を生み出しています。カサ・ミラが地中海の海や凪から着想得ている事は前述しましたが、カサ・ミラの斜め前という場所性からコンテキストを引用したのは想像に難しくないです。ちなみにこのファサードは、景観規制の論議に上がり、市長直属のデザイン委員会にプレゼン&審査で説得して決まったそうです。大変だったんですね。笑

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)全景


Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)1F部分。

時期的にミキモト銀座と被ると思うのですが、外観の色彩に共通点が見てとれます。ちなみにホテル自体の評判もブッキングドットコムで13位くらいですから、かなり評価されていると思います。実際このホテルも事前に予約を試みましたが、一ヶ月先まで満室(泣)。部屋の中からグラシア通りとカサ・ミラを眺める事は叶いませんでしたが、次回は必ず泊りたいです。

 

Suites Avenue Barcelona(スイーツアベニュー)
公式サイト
ADD: Passeig de Gracia, 83, 8008 Barcelona, Spain
Phone: 010 34 934 87 41 59

 

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

過去のDesigncafeのデザイン旅行記はこちらのページでご覧ください。

Barcelona 2015 Vol.06|サグラダ・ファミリア

灯内部のからの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、窓越しの風景や、踊り場で展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの尖塔部の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの外部展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

サグラダ・ファミリア。内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。

受難のファサード。ディティール。

内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。

内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。

受難のファサード。ディティール。

生誕のファサード。ディティール。

生誕のファサード。ディティール。

生誕のファサード。ディティール。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。

内部の様子。

内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。

内部の様子

サグラダ・ファミリア。受難のファサード

サグラダ・ファミリア。受難のファサード

サグラダ・ファミリア。生誕のファサード

 バルセロナ三日目。サグラダ・ファミリアへ。

Text / Photo @Hirasawa Futoshi / FUJIFILM X-T10 + XF14 F2.8 & XF18 F2

三日目後半は、サグラダ・ファミリア、Suites Avenue、カサ・ミラなどを中心に散策しました。今回のエントリーでは、サグラダ・ファミリアについて。

 

サグラダ・ファミリア (Sagrada Família)

アントニ・ガウディが、生涯をかけて取り組んだ未完の教会、サグラダ・ファミリア。モダニズム建築の最も良く知られた作品例であり、恐らくスペインで最も観光客を集める事の出来る建築物です。すべて個人の寄付によって建設される贖罪教会として計画されたサグラダ・ファミリアは、非常に緻密に構成されていながら象徴性とシンボロジーが際立っており、その壮大な計画(計画当初は300年掛かると言われていた)から、(未完ながら)アントニ・ガウディ最高傑作と呼ばれています。現在はCADによる設計図書の解析、寄付の多寡、観光収入の増加に拠って工事が進み、2026年には完成とのアナウンスされています。

サグラダ・ファミリア。生誕のファサード 


サグラダ・ファミリア。生誕のファサード


サグラダ・ファミリア。受難のファサード


サグラダ・ファミリア。受難のファサード

 ガウディは詳細な設計図を残していない(図面ではなく大型模型や紐や錘りで構造を検討)上に、スペイン内戦と混乱で、弟子たちが作成した資料なども大部分が消失しています。忠実な資料が無くガウディの構想通りとはならないこの建築物の建造を続けるべきかどうかで、相当議論があった様ですが、関わっている職人達の伝承や大まかなデッサンなどの残された資料を頼りに、その時代の建築技術者や知識人が、元設計を推理しながら建設を進めています。

受難のファサード。ディティール。


受難のファサード。ディティール。


生誕のファサード。ディティール。


生誕のファサード。ディティール。


生誕のファサード。ディティール。

2015年現在は、北側のファサードと東側のファサード(生誕のファサード。一番最初に完成したファサード)と西側のファサード(受難のファサード)は完成し、最終的には18本建てられる塔の内、8本が完成し10本の塔が未完の状態。イエスの栄光を表現したメインファサードはまだ完成していません。これらの塔の内、12本がシモン・ペトなどの12使徒、4本がマルコなどの福音書記者、1本が聖母マリア、1本がイエス・キリストを象徴するものとされています。

内部の様子


内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。


内部の様子。受難のファサード側のステンドグラス。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。


内部の様子。

内部は、見ての通り象徴性を持たせながらモデルニズモ特有のカオスティックな意匠が構造と一体化しており、訪問した人を圧倒します。自然を愛したガウディらしく、天蓋部を眺めると森の中に居るような錯覚を覚えます。西と東でステンドグラスの配色が変えられているのも、陽の光を計算した上で、一日の移ろいを感じられるように配慮した結果で、この空間に特有の彩りを添えています。

半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。


半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。


半地下部にある博物館。サグラダファミリアに関する展示が常設されています。


灯内部のからの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの尖塔部の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの外部展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。


塔内部からの下方の展望(有料)。エレベーターで一気に上まで上がり、展望を楽しみながら、螺旋階段で下ります。

塔内部のからの展望も出来るようになり(入場料とは別料金)、チャレンジ。エレベーターで一気に上まで上がり、窓越しの風景や、踊り場で展望を楽しみながら、螺旋階段で下るのですが、入場を制限されているとは言え、一本階段を下るのでかなり急かされたりします。笑)

サグラダ・ファミリア。内部の様子。

 個人的には前回来訪したとき(2003年)は、聖堂内部や受難のファサードが完成していなかった事もあり、この進捗が垣間みれただけでも良かったのですが、思いのほか建設が進んでおり、最終的な完成の折りには、また訪問してこの歴史的な傑作を間近で堪能したいと思いました。ITが進み、解析技術が進んでも、究極の手仕事(特に彫刻)で造っている訳ですし、そこに感動のポイントがある訳ですからね。

ちなみにサグラダ・ファミリアは2015年現在、入場に事前予約が必要で料金は入場料+タワーへ上るエレベーターチケット込みで19.5€。入場料としてはかなり高額ですが、バルセロナの主要な建築&建造物はほぼ似たり寄ったりなので、セットチケットやバウチャーで利用出来る所は纏めたほうが無難です。

 

Sagrada Família (Temple Expiatori de la Sagrada Família)
Plaça de la Sagrada Família
Sagrada Familia (L2, L5)

 

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

過去のDesigncafeのデザイン旅行記はこちらのページでご覧ください。

Barcelona 2015 Vol.05|グエル公園

バルセロナ三日目。前半。グエル公園へ。
Photo @Hirasawa Futoshi / FUJIFILM X-T10+XF14 F2.8 & XF18 F2

三日目は、グエル公園からスタート。グエル公園、サグラダ・ファミリア、Suites Avenue、カサ・ミラなどを中心に散策しました。今回のエントリーでは、その前半。グエル公園について。

 

グエル公園(Parc Güell

グエル公園。コリドールのトンネル。

アントニ・ガウディの傑作の一つ、グエル公園。1900年から1914年の間に造成された、元々は60軒からなる分譲住宅(今で言うロハスのような発想の住宅郡)でした。この分譲住宅のコンセプトが当時は理解されず(全く売れず、購入したのはガウディとグエル伯爵の二名との事)グエル伯爵が他界後、バルセロナ市に寄贈され、公園として再整備されて今に至ります。 当時ガウディが傾倒していたリヒャルト・ワーグナーや、自然との調和を目指した総合芸術としての住環境を目指した様です。 

ちなみにグエル公園は、2013年から有料化され中心の入り口部分&コリドール&人工地盤の広場の部分が有料(7€。2015年現在)で、それ以外は無料で入場出来ます。僕らは、事前予約していなかったので現地でチケットを求めたものの一時間待ち! まさか有料化と入場制限(30分ごとに400人らしい)までされているとは思いませんでしたが、物売りやスリの多いバルセロナですから安全面的には良かったのかもしれません。そんな感じで、無料エリアのコリドールからスタートして散策しました。

グエル公園。プランター。


グエル公園。コリドールのトンネル。


グエル公園。コリドールのトンネル。


グエル公園。ロザリオの道にあるプランター。


グエル公園。ロザリオの道にあるプランター。


グエル公園。ロザリオの道の袖にあるプランター。


グエル公園。ロザリオの道。ガードレールのような縁石。


グエル公園。公園北側の丘からバルセロナ市内を眺める。眺望が最高。


グエル公園。公園北側の丘からバルセロナ市内を眺める。パノラマで。


グエル公園。公園西側にある頂上のカルヴァリーの丘。


グエル公園。公園西側のカルヴァリーの丘。ここからの眺めも最高でしたが、頂上部が狭く、油断すると落ちそうになります。笑


グエル公園。公園西側のカルヴァリーの丘。最上部はご覧の通りの混雑だったので、中腹部に下りて記念写真。衛(小畠)と僕。

公園西側にある頂上のカルヴァリーの丘は、元々は礼拝堂を立てる予定でした。しかし分譲住宅計画が進まなかったため、墳墓のような塚が作られました。

グエル公園の入場チケット。

以上が無料で入れるエリア。個人的には二度目のグエル公園ですが、この広大なエリアを散策するのは初めてで、一時間で丁度廻りきれるので良かったです。ランドスケープも面白かったですし。そんな感じで有料エリア(コリドール、市場跡、広場、守衛の家など)へ進みます。

グエル公園。有料エリア内のコリドール。この辺からは見覚えがあって安心しました。


グエル公園の市場跡。人工地盤になっており、上は広場、下は市場として機能させようと計画。


グエル公園の市場跡。天井部分は、モザイクタイルでびっしり。


市場跡。グエル公園の中で唯一ギリシャ建築からインスピレーションを受けているドーリス式の86本の柱が天井を支えています。


グエル公園。入り口付近の大階段上部から。


グエル公園。市場跡上部の人工地盤。端部の装飾。


グエル公園。市場跡上部の人工地盤を大階段側から眺める。


グエル公園、守衛の家。中ではモデルニスモ時代やガウディ作品の説明をビデオで流しています。


グエル公園。市場跡上部の人工地盤を大階段側から眺める。 別アングル。


グエル公園。市場跡上部の人工地盤を大階段側から眺める。


グエル公園、守衛の家。別アングルで。


グエル公園。大階段脇の壁の装飾。


グエル公園、守衛の家。


グエル公園。市場跡上部の人工地盤を大階段側から眺める。 別アングルで。


グエル公園。市場跡上部の広場にある有名なベンチ。スペインらしいモザイクタイルです。


グエル公園。市場跡上部の広場にある有名なベンチから眺めるバルセロナ市内。麓の守衛の家はヘンゼルとグレーテルのお菓子の家から着想を得ています。

見ての通りの天候で、8月の午前中と言う事もあり(夏場でも朝夕は過ごしやすい気候)二時間びっしり廻っても丁度良い感じでした。ホテルからはタクシーで10分程度でしたが、グエル公園は著名な観光地から離れているので、泊まるホテルに拠っては旅程を立てないと時間を無駄にします。なので予約はマストですね。持ち物的には水は必須。公園内でも売っていますが高いです。笑

二回目のグエル公園は、ひょんな事から公園内をくまなく散策することになりましたが、エリアごとに物語があり楽しめました。

 

グエル公園 Parc Guell
設計:アントニ・ガウディ
ADD: Carrer d’Olot, s/n, 08024 Barcelona, スペイン
TEL: +34 902 20 03 02
URL:http://www.parkguell.cat/
入場料や開園時間は季節に拠って変わります。詳しくは公式サイトにて。
入場料:大人7ユーロ 

 

 

Barcelona 2015 Reported by Futoshi Hirasawa

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